岡山県における歯科保健事業実施状況と3歳児う蝕有病者率
岡山県の平成14年度の3歳児う蝕有病者率は32.3%であったが, ほぼ同じコホートと思われる平成12年度の1歳6カ月児健診のう蝕有病者率は3.3%であった.3歳児のう蝕有病者率を抑制するには, 1歳6カ月から3歳までの間に, 実効性のある歯科保健事業を実施する必要がある.本研究は, これまで市町村で実施されてきた歯科保健事業の評価を目的とした.調査対象は, 岡山県内の78市町村である(平成13年度3歳児健診受診者15,379名および14年度受診者15,135名).出生前後から3歳までに市町村で実施された歯科保健事業と3歳児健診のう蝕有病者率との関係を, 事業実施地域と非実施地域で比較した.また...
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Veröffentlicht in: | 口腔衛生学会雑誌 2005/10/30, Vol.55(5), pp.600-607 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Schlagworte: | |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 岡山県の平成14年度の3歳児う蝕有病者率は32.3%であったが, ほぼ同じコホートと思われる平成12年度の1歳6カ月児健診のう蝕有病者率は3.3%であった.3歳児のう蝕有病者率を抑制するには, 1歳6カ月から3歳までの間に, 実効性のある歯科保健事業を実施する必要がある.本研究は, これまで市町村で実施されてきた歯科保健事業の評価を目的とした.調査対象は, 岡山県内の78市町村である(平成13年度3歳児健診受診者15,379名および14年度受診者15,135名).出生前後から3歳までに市町村で実施された歯科保健事業と3歳児健診のう蝕有病者率との関係を, 事業実施地域と非実施地域で比較した.また, 事業実施によるう蝕有病者数のオッズ比を算出した.すべてのデータは岡山県の報告書をもとにした.いずれの調査年度においても, フッ化物歯面塗布の実施地域は非実施地域よりもう蝕有病者率が低く, オッズ比は0.75から0.84の間を示した.しかし, う蝕活動性試験の実施地域は非実施地域よりもう蝕有病者率が高く, オッズ比は1.07から1.14の間であった.歯科保健指導やむし歯ゼロ者の表彰は, う蝕有病者率の抑制と有意な関連が認められなかった.また, 平成11年度に歯科保健計画を策定していた地域は平成13年度, 14年度のう蝕有病者率が高かった.う蝕抑制のために歯科保健事業を実施する場合, フッ化物の利用を優先的検討課題とする必要性が示唆された. |
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ISSN: | 0023-2831 2189-7379 |
DOI: | 10.5834/jdh.55.5_600 |