平穴植毛ローラー型の歯ブラシによる歯みがき後の歯面色の変化

これといった疾患をもたない10歳代の定期健診者(58名)からアトランダムに, 平穴植毛歯ブラシ(32名)とローラー型歯ブラシ(26名)を選択した2群について調査した. 方法は, 水道水洗口後, Shade Eye Ncc(松風)で右上顎永久中切歯唇側面中央部を測定した. その後, 900ppmフッ素入り歯磨剤(B.M.D)0.2gをつけて各ブラシで5分間歯みがきし, 洗口後ただちに同一部位で測定した. 測定はWhitening Modeで5項目を瞬時に記録できる. たとえば最も多用されているV. Classicalで比較すると, 「平穴植毛歯ブラシ」使用群ではA3およびA3.5色が最も多く, 歯みがき後は80.0%がA2に, 20%がA1に変化した. 「ローラー型歯ブラシ」使用群ではA3が最も多く次いでA4であった. 歯みがき後はA3だった者の85.7%がA2に, A4は50%がA3に変化した. 以上の結果から, 5分間歯みがきすることによりいずれの歯ブラシでもWhitening効果があるが, 平穴植毛歯ブラシでは変化差が大きかったことから, よりWhitening効果の高いことが示唆された.