S市の保育所(園)・幼稚園における歯科保健の取り組み状況について

宮城県S市で策定した「いきいき市民健康プラン」の重点戦略である, 歯と口の健康つくりにおける幼児のう蝕予防推進のための基礎資料を得ることを目的に, S市内の幼稚園, 保育所(園)を対象に歯科保健行動について調査を実施した. その結果, ほぼすべての園で歯科健診を実施していたものの, 園と嘱託(協力)歯科医との連携が十分に図られているとはいいがたい状況だった. 園での歯科保健教育や指導は半数以上が実施していたが, 職員の資質向上のための研修の開催や派遣は, 保育所で6割程度実施されていたが, 幼稚園では1.3%だった. 具体的なう蝕予防は「歯みがき」に偏っており, フッ化物洗口によるう蝕予防を実施していたのは9.7%だった. また, 今後の取り組みとしても「歯みがき」としたものが半数を超え, フッ化物洗口は約2割だった. この結果から, 現場の活動を支援するための課題など, 貴重な情報が得られ, 今後の活動に資したいと考えている.