福岡県における無料歯科健診事業について

福岡県では, 成人期の歯科疾患に関するデータを収集するとともに, 身近な保健サービスの提供を通じて歯科保健の重要性を県民に啓発することを目的として, 平成13年度から福岡県歯科医師会の協力のもと11月7日, 8日両日を「いいな, いい歯」の日として, すべての県民を対象に県歯科医師会会員歯科診療所で, 無料歯科健診事業を実施した. 受診者に対して口腔と生活習慣などに関するアンケート, 歯科健診および歯科保健指導を行った. なお, 歯周組織の健康状態はCPIを用いて評価し, 生活習慣などと歯科疾患有病状況との関連を検討した. 健診結果として, 受診者数は, 平成13年度4,561名, 平成14年...

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Hauptverfasser: 邵仁浩, 秋山治夫, 藤村克成, 安細敏弘, 竹原直道
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:福岡県では, 成人期の歯科疾患に関するデータを収集するとともに, 身近な保健サービスの提供を通じて歯科保健の重要性を県民に啓発することを目的として, 平成13年度から福岡県歯科医師会の協力のもと11月7日, 8日両日を「いいな, いい歯」の日として, すべての県民を対象に県歯科医師会会員歯科診療所で, 無料歯科健診事業を実施した. 受診者に対して口腔と生活習慣などに関するアンケート, 歯科健診および歯科保健指導を行った. なお, 歯周組織の健康状態はCPIを用いて評価し, 生活習慣などと歯科疾患有病状況との関連を検討した. 健診結果として, 受診者数は, 平成13年度4,561名, 平成14年度1,536名であった. 喪失歯数は両年度とも65~69歳で増加していた. また, CPI code 4の最高所見を示す者の割合は, 両年度とも50~54歳で増加していた. 生活習慣などと歯科疾患有病状況との関連では, かかりつけ歯科医をもつ, 歯科健診受診(この1年間)をする, 喫煙しない, 歯間部補助清掃用具を使用する者はそうでない者に比べて一人平均D歯数が有意に少なかった. また, 歯間部補助清掃用具を使用しない, かつ4mm以上の歯周ポケットを有する者は, 喫煙率が高くなることが明らかとなった. このことから成人歯科保健対策のなかで, 喫煙が歯周組織に及ぼす影響についての知識の普及とともに, 治療中心ではなく予防管理的なかかりつけ歯科医機能の充実など, 成人歯科保健対策の推進は今後ますます重要であると考えられた.
ISSN:0023-2831