病院歯科受診患者の動向 その8 1年間における有病者の受診動態について
今回われわれは, 平成8年2月より1年間に, 京都第一赤十字病院歯科口腔外科にて初診を行った患者の受診動態を調査した. 65歳以上の高齢者では, 5人に3人の割合で何らかの全身疾患を有していた. 全身疾患別では, 65歳未満においては, 高血圧, 虚血性心疾患などの心臓循環器疾患および糖尿病を主とする内分泌疾患が多かった. 65歳以上になると, 心臓循環器疾患の次に脳梗塞, 脳出血, 痴呆などの脳血管障害が多かった. 65歳以上では感染症の保有率も高くなり, とくにC型肝炎が多く7.7%の患者にみられた. 高齢化社会の到来に従い, 高齢有病者が歯科医院を訪れる機会が増えつつある. 高齢者の歯科...
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Format: | Tagungsbericht |
Sprache: | jpn |
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Zusammenfassung: | 今回われわれは, 平成8年2月より1年間に, 京都第一赤十字病院歯科口腔外科にて初診を行った患者の受診動態を調査した. 65歳以上の高齢者では, 5人に3人の割合で何らかの全身疾患を有していた. 全身疾患別では, 65歳未満においては, 高血圧, 虚血性心疾患などの心臓循環器疾患および糖尿病を主とする内分泌疾患が多かった. 65歳以上になると, 心臓循環器疾患の次に脳梗塞, 脳出血, 痴呆などの脳血管障害が多かった. 65歳以上では感染症の保有率も高くなり, とくにC型肝炎が多く7.7%の患者にみられた. 高齢化社会の到来に従い, 高齢有病者が歯科医院を訪れる機会が増えつつある. 高齢者の歯科治療にあたっては, 歯科治療行為のみならず全身状態の把握および監視, 感染対策, 口腔衛生管理, 高齢者に対する精神的配慮等, 多くの考慮すべき課題があるように思われた. |
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ISSN: | 0023-2831 |