地域歯科保健活動における乳歯へのシーラント応用の効果について
福岡県某町では, 平成6年度より1歳6ヵ月児, 3歳児歯科健康診査に加えて, 2歳児, 4歳児, 6歳児歯科健診の実施と, 2歳児歯科健診受診者に町が費用を負担したシーラント券の交付と, 生活習慣や育児環境などに関するアンケート調査を行っている. 平成4年度生まれのうち1歳6ヵ月児歯科健診を受診した123名について追跡調査を行い, 歯科健診の受診状況やシーラントの受療状況の違いによるう蝕有病状況を比較検討した. 1歳6ヵ月から4歳までの歯科健診を継続して受診した群の4歳時点でのdmft指数は, 継続して受診しなかった群より有意に低い値であった. シーラント受療の有無による比較で, 2歳時点でシ...
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Format: | Tagungsbericht |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 福岡県某町では, 平成6年度より1歳6ヵ月児, 3歳児歯科健康診査に加えて, 2歳児, 4歳児, 6歳児歯科健診の実施と, 2歳児歯科健診受診者に町が費用を負担したシーラント券の交付と, 生活習慣や育児環境などに関するアンケート調査を行っている. 平成4年度生まれのうち1歳6ヵ月児歯科健診を受診した123名について追跡調査を行い, 歯科健診の受診状況やシーラントの受療状況の違いによるう蝕有病状況を比較検討した. 1歳6ヵ月から4歳までの歯科健診を継続して受診した群の4歳時点でのdmft指数は, 継続して受診しなかった群より有意に低い値であった. シーラント受療の有無による比較で, 2歳時点でシーラント受療群のdmft指数は低い傾向にあるが, 受療群と非受療群に有意な違いは認められなかった. 4歳時点ではシーラント受療者群のdmft指数は非受療群より有意に低い値であった. 2歳時のアンケートについての変数選択一重回帰分析を行った結果, おやつの回数, 兄弟, 姉妹の数, 保護者自身の歯磨き回数がdmft指数と有意な関係にあった. 以上の結果から, 継続的な歯科健診の受診がう蝕予防に有意義であることが示唆された. また, 地域歯科保健活動におけるシーラントの応用はシーラントのう蝕予防効果もさることながら, 地域住民の歯科保健への関心を高め, う蝕予防活動を実践する良い機会となっていることがうかがえる. |
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ISSN: | 0023-2831 |