各種フッ化物応用後の健全エナメル質におけるアルカリ溶解性フッ素濃度
「緒言」エナメル質中のフッ素の存在様式が, アルカリ溶解性のCaF2であるかアルカリ非溶解性のCa10(PO4)6F2(以下, FA)であるかは, CaF2を1M KOH溶液に溶解させることにより両者を区別することが可能である1). 従って, 高フッ素濃度溶液と健全エナメル質との反応生成物であるCaF2を同様に溶解することにより, 各種フッ化物応用後のエナメル質中のフッ素についてもCaF2あるいはFAとしての存在様式を検討することができる. 本研究の目的は, フッ化物応用後, 健全エナメル質に取り込まれるフッ素の存在様式を検討し齲蝕予防機序との関連を考察することである. フッ素洗口溶液(以下,...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | 口腔衛生学会雑誌 1990-04, Vol.40 (2), p.209-215 |
---|---|
Hauptverfasser: | , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 「緒言」エナメル質中のフッ素の存在様式が, アルカリ溶解性のCaF2であるかアルカリ非溶解性のCa10(PO4)6F2(以下, FA)であるかは, CaF2を1M KOH溶液に溶解させることにより両者を区別することが可能である1). 従って, 高フッ素濃度溶液と健全エナメル質との反応生成物であるCaF2を同様に溶解することにより, 各種フッ化物応用後のエナメル質中のフッ素についてもCaF2あるいはFAとしての存在様式を検討することができる. 本研究の目的は, フッ化物応用後, 健全エナメル質に取り込まれるフッ素の存在様式を検討し齲蝕予防機序との関連を考察することである. フッ素洗口溶液(以下, FM溶液)あるいは酸性フッ素リン酸溶液(以下, APF溶液)と健全エナメル質とを反応させる. 反応後のエナメル質をKOH溶液に浸漬する群としない群に群別し, 両者のフッ素濃度の差を比較する. このことによりエナメル質に取り込まれたフッ素が, CaF2由来であるかFA由来であるかを分析化学的に推定することが可能となる. |
---|---|
ISSN: | 0023-2831 |