腰部脊柱管狭窄症の実態: 症状と抑うつおよび健康関連QOLの関係
腰部脊柱管狭窄症患者253例(男142例,平均年齢71歳)に対し,その症状と抑うつおよび健康関連QOLの関係を探索的に調査した.抑うつ傾向(GDS-15得点6点以上)は32%の患者にみられ,健康関連QOL(SF-36)は身体的健康度だけでなく,精神的健康度の下位尺度点数も低下していた.そして,下肢痛・しびれの程度が強いと歩行能力が低下し,身体的QOLが低下する一方,下肢症状が強く歩行能力が低下すると抑うつ的になり精神的QOLも低下するというパス解析モデルに関し,その適合性が良好であった(適合度指標:GFI=0.945).つまり,腰部脊柱管狭窄症の身体症状は,身体的QOLばかりでなく,抑うつを介...
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Veröffentlicht in: | 日本腰痛学会雑誌 2007, Vol.13(1), pp.192-196 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Schlagworte: | |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 腰部脊柱管狭窄症患者253例(男142例,平均年齢71歳)に対し,その症状と抑うつおよび健康関連QOLの関係を探索的に調査した.抑うつ傾向(GDS-15得点6点以上)は32%の患者にみられ,健康関連QOL(SF-36)は身体的健康度だけでなく,精神的健康度の下位尺度点数も低下していた.そして,下肢痛・しびれの程度が強いと歩行能力が低下し,身体的QOLが低下する一方,下肢症状が強く歩行能力が低下すると抑うつ的になり精神的QOLも低下するというパス解析モデルに関し,その適合性が良好であった(適合度指標:GFI=0.945).つまり,腰部脊柱管狭窄症の身体症状は,身体的QOLばかりでなく,抑うつを介して精神的QOLにも影響を及ぼしていることが示唆された.本研究の結果から,腰部脊柱管狭窄症患者に対しては,症状に対する治療とともに抑うつのスクリーニングおよび精神面のケアやサポートも必要であると思われた. |
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ISSN: | 1345-9074 1882-1863 |
DOI: | 10.3753/yotsu.13.192 |