2-2-1腰椎靱帯骨化症の臨床的特徴および手術成績についての検討

靱帯骨化による腰部脊柱管狭窄症で手術を施行した患者20名(男8名, 女12名, 平均年齢54.5歳)を対象とし, 臨床症状, レントゲン評価, 病理所見, 術後成績を調査した. 追跡期間は6.8年であった. 術前症状では下肢麻痺を17例に認めた. 7例が肥満を呈し, 6例に糖尿病を伴っていた. 腰椎部でのOPLLは16例に, OLFは12例に認めた. その他11例に頸椎OPLL, 6例に胸椎の骨化病変を認めた. 黄色靱帯内に新生骨を認めた. 術後髄液漏を5例に認めた. 術前のJOAスコアの平均は10.2±4.7点で最終20.9±7.1点であった. 高齢, 長期にわたる症状, 術前の低いJOAス...

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Veröffentlicht in:日本腰痛学会雑誌 2006, Vol.12 (1), p.198-198
Hauptverfasser: 川口善治, 金森昌彦, 石原裕和, 安田剛敏, 阿部由美子, 野上重治, 堀岳史, 木村友厚
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:靱帯骨化による腰部脊柱管狭窄症で手術を施行した患者20名(男8名, 女12名, 平均年齢54.5歳)を対象とし, 臨床症状, レントゲン評価, 病理所見, 術後成績を調査した. 追跡期間は6.8年であった. 術前症状では下肢麻痺を17例に認めた. 7例が肥満を呈し, 6例に糖尿病を伴っていた. 腰椎部でのOPLLは16例に, OLFは12例に認めた. その他11例に頸椎OPLL, 6例に胸椎の骨化病変を認めた. 黄色靱帯内に新生骨を認めた. 術後髄液漏を5例に認めた. 術前のJOAスコアの平均は10.2±4.7点で最終20.9±7.1点であった. 高齢, 長期にわたる症状, 術前の低いJOAスコア, 他の脊椎骨化病変が成績に悪影響を与えていた. 靱帯骨化による腰部脊柱管狭窄では症状が重篤に陥る傾向がある. 病態の背景として肥満や糖代謝異常を有する患者の頻度が高い. また頸椎や胸椎にも骨化病変をしばしば認めた. 本疾患に対し後方徐圧は有効であるが, 早期診断と他の脊椎病変の処置を含めた適切な治療が重要である.
ISSN:1345-9074