腰部脊柱管狭窄症に対するプロスタグランジンE1の点滴静注療法
腰部脊柱管狭窄症の症状発現の一要因として馬尾神経, 腰部神経根の血行障害があげられている.今回われわれは外来治療に抵抗する腰部脊柱管狭窄症15例に対し, 血流改善を目的として末梢血管拡張作用を有するプロスタグランジンE1の点滴静注を行った.投与2週後, 12例に下肢痛, 下肢しびれ感などの自覚症状と歩行能力に対して有意な改善が見られ, サーモグラフィーでも皮膚温度の上昇が見られた.また, 間歓的跛行の比較的軽度な例にJOA scoreの改善率が高い傾向がみられた.一方, 筋力低下や知覚低下などの他覚所見に関しては投与前後で有意差を認めなかった.投与後の経過では症状改善例12例のうち5例 (全体...
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Veröffentlicht in: | 日本腰痛研究会雑誌 1997/10/14, Vol.3(1), pp.55-59 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 腰部脊柱管狭窄症の症状発現の一要因として馬尾神経, 腰部神経根の血行障害があげられている.今回われわれは外来治療に抵抗する腰部脊柱管狭窄症15例に対し, 血流改善を目的として末梢血管拡張作用を有するプロスタグランジンE1の点滴静注を行った.投与2週後, 12例に下肢痛, 下肢しびれ感などの自覚症状と歩行能力に対して有意な改善が見られ, サーモグラフィーでも皮膚温度の上昇が見られた.また, 間歓的跛行の比較的軽度な例にJOA scoreの改善率が高い傾向がみられた.一方, 筋力低下や知覚低下などの他覚所見に関しては投与前後で有意差を認めなかった.投与後の経過では症状改善例12例のうち5例 (全体の33%) に3ヵ月以上効果の持続がみられ, 7例は平均5.3週で症状の再発がみられた.外来治療に抵抗した15例のうちの33%に症状の緩解がみられたことより, 本治療法が腰部脊柱管狭窄症の有用な治療となりうると考えられた. |
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ISSN: | 1341-7355 1884-2186 |
DOI: | 10.14898/yotsu1995.3.55 |