特異な歩行障害を呈した腰椎椎間板ヘルニアの2症例

下位腰椎椎間板ヘルニアで中殿筋などの股関節周囲筋に高度の麻痺を合併することは稀である.今回われわれはL4/5椎間板ヘルニアにより, 両側性の高度な股関節周囲筋麻痺をきたし, 歩行障害 (waddling gait) を呈した2症例を経験したので報告する.なお, 2症例とも高度な両側性下肢麻痺を呈したにもかかわらず, 膀胱直腸障害は見られなかった.対象は症例1 (48歳男性) と症例2 (47歳男性) である.両者とも股関節周囲筋麻痺に伴った歩行障害がみられ, さらに症例1では両下垂足を伴っていた.しかし, 両者とも膀胱直腸障害はなかった.画像所見よりL4/5間におけるcombined type...

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Veröffentlicht in:日本腰痛研究会雑誌 1997/10/14, Vol.3(1), pp.39-44
Hauptverfasser: 徳永, 建路, 河端, 正也, 武本, 俊彦, 石井, 重雄, 井上, 和彦, 立花, 新太郎
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:下位腰椎椎間板ヘルニアで中殿筋などの股関節周囲筋に高度の麻痺を合併することは稀である.今回われわれはL4/5椎間板ヘルニアにより, 両側性の高度な股関節周囲筋麻痺をきたし, 歩行障害 (waddling gait) を呈した2症例を経験したので報告する.なお, 2症例とも高度な両側性下肢麻痺を呈したにもかかわらず, 膀胱直腸障害は見られなかった.対象は症例1 (48歳男性) と症例2 (47歳男性) である.両者とも股関節周囲筋麻痺に伴った歩行障害がみられ, さらに症例1では両下垂足を伴っていた.しかし, 両者とも膀胱直腸障害はなかった.画像所見よりL4/5間におけるcombined type stenosisと診断し, 椎弓切除術, 髄核摘出術および後側方固定術を施行した.術直後から急速な下肢麻痺の改善が認められた.中殿筋の筋力は, 症例1で1年後, 症例2では4カ月後に正常化した.
ISSN:1341-7355
1884-2186
DOI:10.14898/yotsu1995.3.39