神経内分泌腫瘍マーカー高値を示した肺原発腺扁平上皮癌の1剖検例

「要旨」ガストリン放出ペプチド前駆体(ProGRP)とNeuron-specific enolase (NSE)の上昇が認められた肺腺扁平上皮癌の剖検例を経験した. 症例は68歳の女性で, 腫瘍マーカーは腺癌・扁平上皮癌・神経内分泌腫瘍全てのマーカーが高値であった. 胸水細胞診は悪性(腺癌)の診断であったが, 剖検の結果は左肺原発腺扁平上皮癌であり, 他臓器・リンパ節転移の組織型は腺癌成分のみであった. 神経内分泌腫瘍を示唆する組織構造は乏しく免疫組織化学染色ではSynaptophysin・Chromogranin・CD56はいずれも陰性であった. 神経内分泌腫瘍マーカー高値を示す非小細胞肺癌...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:日赤検査 2016-03, Vol.49 (1), p.42-45
Hauptverfasser: 野口沙希, 土肥香緒里, 佐久間宣博, 木村勝隆, 堀眞佐男
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:「要旨」ガストリン放出ペプチド前駆体(ProGRP)とNeuron-specific enolase (NSE)の上昇が認められた肺腺扁平上皮癌の剖検例を経験した. 症例は68歳の女性で, 腫瘍マーカーは腺癌・扁平上皮癌・神経内分泌腫瘍全てのマーカーが高値であった. 胸水細胞診は悪性(腺癌)の診断であったが, 剖検の結果は左肺原発腺扁平上皮癌であり, 他臓器・リンパ節転移の組織型は腺癌成分のみであった. 神経内分泌腫瘍を示唆する組織構造は乏しく免疫組織化学染色ではSynaptophysin・Chromogranin・CD56はいずれも陰性であった. 神経内分泌腫瘍マーカー高値を示す非小細胞肺癌が少なからず存在することが, 剖検で明らかとなった1例である. 「はじめに」原発性肺癌における腫瘍マーカーは, 過去より3種類に大別されている.
ISSN:1343-2311