EWSR1のシグナル異常が認められた基質産生乳癌の1例
「要旨」今回我々はEWSR1のシグナル異常(増幅)が検出された乳腺原発基質産生癌の1例を経験した. 症例は73歳の女性で右C領域に腫瘤を触知し, 当院で乳腺原発基質産生癌と診断され乳房部分切除術が施行された. ステロイドホルモンレセプターおよびHER2は陰性でtriple negative cancerであった. FISH法によるEWSR1の解析では転座のスプリットシグナルが全く検出されなかった一方, 38.2%の細胞に増幅を示唆するシグナル増加が認められた. このような乳癌では稀な遺伝子異常の検出が, 特にtriple negative cancerの新たな治療法開発に役立つことを期待したい...
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Veröffentlicht in: | 日赤検査 2009, Vol.42 (1), p.11-16 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「要旨」今回我々はEWSR1のシグナル異常(増幅)が検出された乳腺原発基質産生癌の1例を経験した. 症例は73歳の女性で右C領域に腫瘤を触知し, 当院で乳腺原発基質産生癌と診断され乳房部分切除術が施行された. ステロイドホルモンレセプターおよびHER2は陰性でtriple negative cancerであった. FISH法によるEWSR1の解析では転座のスプリットシグナルが全く検出されなかった一方, 38.2%の細胞に増幅を示唆するシグナル増加が認められた. このような乳癌では稀な遺伝子異常の検出が, 特にtriple negative cancerの新たな治療法開発に役立つことを期待したい. 【はじめに】乳腺原発の基質産生癌(Matrix-producing carcinoma, 以下MPCとする)はWargotz&Norrisらによって提唱されたまれな腫瘍で1), その殆どがステロイドホルモンレセプター陰性かつHER2陰性のtriple negative cancer(以下TNCとする)である. 乳癌取扱い規約改定(第16版)に伴い新たに1特殊型として分類されることになった. |
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ISSN: | 1343-2311 |