外来穿刺吸引細胞診で確定診断に至った顆粒細胞腫の1例

「要旨」画像上, 悪性腫瘍を疑われた胸壁腫瘤の外来迅速穿刺吸引細胞像から顆粒細胞腫と確診しえた1症例を経験したので報告する. 症例は54歳の女性で, 約2ヶ月前より右胸壁腋下付近に硬い腫瘤を触知した. 複数回のマンモグラフィー, 超音波画像所見は全てカテゴリー3~4で, 病変の大きさに変化はなかったものの, 乳癌を含めた悪性腫瘍が疑われた. 外来迅速穿刺吸引細胞診では良性の顆粒細胞腫と診断され, その後腫瘍切除術が施行された. 病理組織診断も顆粒細胞腫であった. 顆粒細胞腫は画像上悪性と誤られる可能性がある腫瘍であり, 細胞診の重要性が認識された1症例であった. 「はじめに」顆粒細胞腫は, 神...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:日赤検査 2008, Vol.41 (1), p.84-87
Hauptverfasser: 三村貴裕, 佐久間宣博, 木村勝隆, 堀眞佐男, 佐藤宏喜
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:「要旨」画像上, 悪性腫瘍を疑われた胸壁腫瘤の外来迅速穿刺吸引細胞像から顆粒細胞腫と確診しえた1症例を経験したので報告する. 症例は54歳の女性で, 約2ヶ月前より右胸壁腋下付近に硬い腫瘤を触知した. 複数回のマンモグラフィー, 超音波画像所見は全てカテゴリー3~4で, 病変の大きさに変化はなかったものの, 乳癌を含めた悪性腫瘍が疑われた. 外来迅速穿刺吸引細胞診では良性の顆粒細胞腫と診断され, その後腫瘍切除術が施行された. 病理組織診断も顆粒細胞腫であった. 顆粒細胞腫は画像上悪性と誤られる可能性がある腫瘍であり, 細胞診の重要性が認識された1症例であった. 「はじめに」顆粒細胞腫は, 神経鞘起源の良性軟部腫瘍であり消化管, 胸壁, 乳腺をはじめとする全身諸臓器に発生しうる1). 病理組織診断は比較的容易である一方, その細胞像に関する報告は少ない. また画像診断は困難なことも多く, 悪性腫瘍と誤られやすい2).
ISSN:1343-2311