腹水からYersinia enterocoliticaが検出された1症例

「要旨」腹腔内膿瘍の手術時に提出された腹水からYersinia enterocoliticaが検出された1症例を報告する. 患者は79歳, 女性で, 発熱, 腹痛, 下痢を認めたため, 近医を受診した. 抗菌薬と解熱鎮痛剤を処方され, 一旦は軽快するものの, 再び発熱, 右下腹部痛を生じ, 当院外科を紹介受診し入院となった. 入院時検査所見で, 白血球数, CRPが高く, 炎症所見が認められた. 腹部CT検査にて回盲部付近に膿瘍を認めたため, 排膿を目的とした緊急手術が施行された. 手術所見で上行結腸憩室穿孔が認められ, その際に得られた腹水の細菌培養検査にてY. enterocolitica...

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Veröffentlicht in:日赤検査 2008-03, Vol.41 (1), p.16-19
Hauptverfasser: 赤羽貴行, 保坂力, 村山範行, 小穴こず枝, 川上由行
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「要旨」腹腔内膿瘍の手術時に提出された腹水からYersinia enterocoliticaが検出された1症例を報告する. 患者は79歳, 女性で, 発熱, 腹痛, 下痢を認めたため, 近医を受診した. 抗菌薬と解熱鎮痛剤を処方され, 一旦は軽快するものの, 再び発熱, 右下腹部痛を生じ, 当院外科を紹介受診し入院となった. 入院時検査所見で, 白血球数, CRPが高く, 炎症所見が認められた. 腹部CT検査にて回盲部付近に膿瘍を認めたため, 排膿を目的とした緊急手術が施行された. 手術所見で上行結腸憩室穿孔が認められ, その際に得られた腹水の細菌培養検査にてY. enterocoliticaが検出された. 手術後はCPFX及びLVFX投与により症状も改善し, 入院19日目に退院となった. Y. enterocoliticaによる腸管感染症を起因とし, 穿孔による腹腔内膿瘍を生じさせた症例であると考えられた.
ISSN:1343-2311