胃癌術後における血清亜鉛値の評価

【目的】胃癌患者における血清亜鉛の動態について評価すること. 【方法】2013年1月から2021年12月まで当科において胃癌に対して治療された702例を対象とし, 血清亜鉛値と臨床病理学的所見を比較検討した. 【結果】亜鉛中央値は73 μg/dL (13.5‐152.0 μg/dL), 亜鉛低値は478例 (68.1%) にみられ, 亜鉛低値群は亜鉛正常群に比して, 有意に年齢が高く (71歳 vs.67歳, P<0.001), 血清アルブミンが低値(3.9 g/dL vs.4.2 g/dL, P<0.001) であった. 術後化学療法施行群は非施行群に比して有意に亜鉛中央値が低値であった (...

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Veröffentlicht in:外科と代謝・栄養 2024/04/15, Vol.58(2), pp.85-91
Hauptverfasser: 並川, 努, 田中, 智規, 宇都宮, 正人, 横田, 啓一郎, 川西, 泰広, 藤澤, 和音, 宗景, 匡哉, 前田, 広道, 北川, 博之, 小林, 道也, 花﨑, 和弘, 瀬尾, 智
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:【目的】胃癌患者における血清亜鉛の動態について評価すること. 【方法】2013年1月から2021年12月まで当科において胃癌に対して治療された702例を対象とし, 血清亜鉛値と臨床病理学的所見を比較検討した. 【結果】亜鉛中央値は73 μg/dL (13.5‐152.0 μg/dL), 亜鉛低値は478例 (68.1%) にみられ, 亜鉛低値群は亜鉛正常群に比して, 有意に年齢が高く (71歳 vs.67歳, P<0.001), 血清アルブミンが低値(3.9 g/dL vs.4.2 g/dL, P<0.001) であった. 術後化学療法施行群は非施行群に比して有意に亜鉛中央値が低値であった (72 μg/dL vs.76 μg/dL, P<0.001). 術後1カ月および3カ月に比して3‐6カ月で有意に亜鉛は低値を示し, その後12カ月で回復傾向にあった. 【結論】胃癌患者は血清亜鉛低値をきたす頻度が高く, 術後3‐6カ月にかけて亜鉛は低値を示し, 化学療法は低亜鉛血症のリスクになる可能性が示唆された.
ISSN:0389-5564
2187-5154
DOI:10.11638/jssmn.58.2_85