がん化学療法における代謝栄養管理の意義 ―肝胆道がん

近年, 肝胆道がんの薬物療法に免疫複合治療が加わり, 治療選択肢が広がりをみせている.これまでに, 肝胆道領域のがん患者において, 免疫複合治療においても薬物療法前の栄養状態が予後に関連する事が報告されている.薬物療法中にも副作用で栄養状態は悪化する事もある為, 薬物療法前や薬物療法中を問わず, 常に患者の栄養状態を評価し, 栄養介入する事が肝要である.肝胆道がん薬物療法中の患者に対する確立された栄養療法はないが, 肝細胞癌患者は, 慢性肝疾患を背景とした肝予備能の低下を認める場合があり, 胆道癌患者では, 繰り返す胆管炎による肝予備能の低下も少なくない事から, 肝硬変診療ガイドラインの栄養療...

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Veröffentlicht in:外科と代謝・栄養 2023/12/15, Vol.57(6), pp.197-201
Hauptverfasser: 小坂, 久, 松井, 康輔, 山本, 栄和, 中島, 隆善, 松島, 英之, 海堀, 昌樹
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:近年, 肝胆道がんの薬物療法に免疫複合治療が加わり, 治療選択肢が広がりをみせている.これまでに, 肝胆道領域のがん患者において, 免疫複合治療においても薬物療法前の栄養状態が予後に関連する事が報告されている.薬物療法中にも副作用で栄養状態は悪化する事もある為, 薬物療法前や薬物療法中を問わず, 常に患者の栄養状態を評価し, 栄養介入する事が肝要である.肝胆道がん薬物療法中の患者に対する確立された栄養療法はないが, 肝細胞癌患者は, 慢性肝疾患を背景とした肝予備能の低下を認める場合があり, 胆道癌患者では, 繰り返す胆管炎による肝予備能の低下も少なくない事から, 肝硬変診療ガイドラインの栄養療法フローチャートを参考にした栄養介入が推奨される.また, 薬物療法中の筋肉量の低下が生存期間に悪影響を及ぼす事が報告されており, 筋肉量が低下傾向の患者には分岐鎖アミノ酸を含む栄養介入を積極的に実施する事が重要と考える.
ISSN:0389-5564
2187-5154
DOI:10.11638/jssmn.57.6_197