W‐ED®チューブを用いた在宅栄養管理および外来化学療法後に胃切除を施行した幽門狭窄を伴う胃癌の1例
症例は67歳男性,上腹部痛,体重減少を主訴に精査し,小彎中心に胃上下部に広がる進行胃癌(cT4aN1M0stageIIIA)と診断された.審査腹腔鏡により腹膜播種のないことを確認後,原発巣の縮小を目的として,術前化学療法(S‐1+オキサリプラチン)を開始した.腫瘍による幽門狭窄で経口摂取困難であったため,EDチューブを空腸に留置し経管栄養を行った.1コース終了後に嘔吐がみられ,画像上増悪所見はないが臨床上増悪,切除不能胃癌と考えレジメン変更(カペシタビン・オキサリプラチン+トラツズマブ)を行った.また,経管栄養と胃内減圧を同時に施行することが可能な2重管構造のW‐ED®チューブを留置し,嘔吐な...
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Veröffentlicht in: | 外科と代謝・栄養 2023/10/15, Vol.57(5), pp.172-176 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 症例は67歳男性,上腹部痛,体重減少を主訴に精査し,小彎中心に胃上下部に広がる進行胃癌(cT4aN1M0stageIIIA)と診断された.審査腹腔鏡により腹膜播種のないことを確認後,原発巣の縮小を目的として,術前化学療法(S‐1+オキサリプラチン)を開始した.腫瘍による幽門狭窄で経口摂取困難であったため,EDチューブを空腸に留置し経管栄養を行った.1コース終了後に嘔吐がみられ,画像上増悪所見はないが臨床上増悪,切除不能胃癌と考えレジメン変更(カペシタビン・オキサリプラチン+トラツズマブ)を行った.また,経管栄養と胃内減圧を同時に施行することが可能な2重管構造のW‐ED®チューブを留置し,嘔吐なく経管栄養を行うことが可能となった.1コース終了後に退院され,在宅栄養管理を行いながら外来化学療法2コースを行い,合計3コース完遂した後,胃切除術を施行し,術後合併症なく退院された.術後補助化学療法(S‐1)施行後,現在1年9カ月無再発生存中である.W‐ED®チューブを用いた栄養管理で,集学的治療経過中の栄養指標が維持,改善できたことは手術施行のために極めて重要であったと考えられた. |
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ISSN: | 0389-5564 2187-5154 |
DOI: | 10.11638/jssmn.57.5_172 |