術前栄養介入による術前環境の適正化
現在, 栄養療法は治療の一環と認識されている. 術前に重度の低栄養が併存する患者に適切な栄養介入を行わずに手術を行うと, 術後合併症が増加するだけでなく手術関連死亡が増加する. 術前低栄養を適切に診断するためには栄養スクリーニングを適切に行う必要があり, 低栄養と診断した場合にはその介入が引き続いて行われるべきである. また高侵襲手術を予定している場合や術前治療として化学療法や放射線療法が必要な患者には栄養療法を行う意義があることもこれまでの研究結果で明らかとなってきた. これらへの栄養療法の目的は, 術前治療による低栄養への進展予防と術後の過剰な炎症反応の軽減にある. また最近では筋肉量や...
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Veröffentlicht in: | 外科と代謝・栄養 2021, Vol.55(5), pp.190-195 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 現在, 栄養療法は治療の一環と認識されている. 術前に重度の低栄養が併存する患者に適切な栄養介入を行わずに手術を行うと, 術後合併症が増加するだけでなく手術関連死亡が増加する. 術前低栄養を適切に診断するためには栄養スクリーニングを適切に行う必要があり, 低栄養と診断した場合にはその介入が引き続いて行われるべきである. また高侵襲手術を予定している場合や術前治療として化学療法や放射線療法が必要な患者には栄養療法を行う意義があることもこれまでの研究結果で明らかとなってきた. これらへの栄養療法の目的は, 術前治療による低栄養への進展予防と術後の過剰な炎症反応の軽減にある. また最近では筋肉量や内臓脂肪量など体組成も栄養評価法の一部として焦点が当てられ, これらが術後成績に与える影響は大きいため,今後は術前介入の基準とされることが予想される. 今回,術前栄養療法の対象と栄養介入の内容および投与期間について概説する. |
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ISSN: | 0389-5564 2187-5154 |
DOI: | 10.11638/jssmn.55.5_190 |