EMS-3 大腸切除術翌日から食事提供を開始するERASプロトコールにおけるPONV対策と課題
術後早期回復・早期退院を目指して周術期管理を工夫するERAS(術後回復強化)プログラムの導入が進んでいるが、推奨項目のすべてを遵守することは実質困難である。加えて、推奨項目は随時再検証され、それが他の推奨項目に影響することもあり、一項目のエビデンスだけで最終的な「術後回復強化」が改善されるわけでもないのが難しく、かつ魅力的な概念である。外科単科だけではなく、麻酔科、外来・病棟スタッフ、薬剤師、理学療法士、栄養士を含むチームで検討し、それぞれの施設の現状に合わせて実施可能な項目を導入し、「ERASコンセプトに基づいた」実践になっている状況である。 当院で大腸手術に対してERASプロトコールを導...
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Veröffentlicht in: | 外科と代謝・栄養 2018, Vol.52(3), pp.75-75 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 術後早期回復・早期退院を目指して周術期管理を工夫するERAS(術後回復強化)プログラムの導入が進んでいるが、推奨項目のすべてを遵守することは実質困難である。加えて、推奨項目は随時再検証され、それが他の推奨項目に影響することもあり、一項目のエビデンスだけで最終的な「術後回復強化」が改善されるわけでもないのが難しく、かつ魅力的な概念である。外科単科だけではなく、麻酔科、外来・病棟スタッフ、薬剤師、理学療法士、栄養士を含むチームで検討し、それぞれの施設の現状に合わせて実施可能な項目を導入し、「ERASコンセプトに基づいた」実践になっている状況である。 当院で大腸手術に対してERASプロトコールを導入してから10年弱が経過した。術直前までの成分栄養剤による経口補水と併せて、導入当初から術翌日の病院食提供開始を続けている。術後早期経腸栄養開始が理想である反面、術後消化管運動回復時期やPONV発生から検証すると術翌日の食事は尚早とする意見もある。当院ではPONV予防に対する多角的アプローチを実践している。その下で、2008年10月から2017年9月までに当院で施行した大腸手術症例のうち、ERASを導入した387例の初発大腸癌切除例を対象として合併症率、経口摂取や消化管機能回復状況、PONV発生状況を検証した。 なお現在行っているPONVに関連する工夫を列挙する。(1)術後帰室後2時間でベッドギャッチアップ。含嗽援助後、キシリトールガム摂取開始。(2)術翌日からプロクロルペラジンまたはジフェンヒドラミンサリチル酸塩の2日間投与。(3)メトクロプラミドおよびモサプリドの一週間投与。(4)術後6時間以降の早期水分補給開始。 |
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ISSN: | 0389-5564 2187-5154 |
DOI: | 10.11638/jssmn.52.3_75 |