膵頭十二指腸切除術における術後回復力強化 (Enhanced Recovery After Surgery : ERAS(R)) プログラムの安全性と有用性の検討
術後回復力強化(ERAS)プログラムの適応は拡大しているが膵頭十二指腸切除術(PD)の検討は少ない. われわれは2007年~2015年までのPD連続138例を対象に従来管理36例(C群: 2007.6~2010.9), ERASプログラム導入前期61例(E1群: 2010.10~2013.12), 導入後期41例(E2群: 2014.1~2015.12)の安全性と有用性につき検討した. 対象の年齢中央値71歳, 膵管癌43%, 胆道癌36%, 幽門輪温存PD46%で各群に有意差はなかった. 術後経口開始(C vs E2: 7日 vs 1日), 固形食開始(10日 vs 3日), 離床(5日 v...
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Veröffentlicht in: | 外科と代謝・栄養 2016-10, Vol.50 (5), p.297-305 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 術後回復力強化(ERAS)プログラムの適応は拡大しているが膵頭十二指腸切除術(PD)の検討は少ない. われわれは2007年~2015年までのPD連続138例を対象に従来管理36例(C群: 2007.6~2010.9), ERASプログラム導入前期61例(E1群: 2010.10~2013.12), 導入後期41例(E2群: 2014.1~2015.12)の安全性と有用性につき検討した. 対象の年齢中央値71歳, 膵管癌43%, 胆道癌36%, 幽門輪温存PD46%で各群に有意差はなかった. 術後経口開始(C vs E2: 7日 vs 1日), 固形食開始(10日 vs 3日), 離床(5日 vs 2日), 術後在院日数(52日 vs 18日)は有意に短縮, 合併症発生率(72.2, 42.9%)は有意に減少, 再入院率(5.6, 5.0%)に変化なく, 導入群に手術死亡は認めなかった. PDにおけるERASプログラムは安全に実施可能で有用性が期待できる. |
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ISSN: | 0389-5564 |