手術侵襲と麻酔管理: 術後回復促進を目指し,手術侵襲の軽減を目的とした麻酔管理

「I はじめに」術後回復の阻害因子として, 手術侵襲による糖・たんぱく代謝の異常, 疼痛, 消化管機能不全および不動などがあげられる. これらの阻害因子は, 術後患者の早期離床および経口摂取を妨げる. 術後回復促進策におけるアウトカムである在院日数の短縮や合併症の発症率低減は, 早期離床および経口摂取の遅延によると言われている. 術後回復促進策においては, 手術侵襲への対策として, 適切な麻酔管理により侵襲を最低限に抑えることが推奨されている. 例えば, 麻酔管理では, 鎮痛による侵襲反応の軽減, 適正な輸液管理, 体温管理, および術前, 術中の炭水化物負荷などが実施される. 麻酔科医は,...

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Veröffentlicht in:外科と代謝・栄養 2016, Vol.50(5), pp.255-264
Hauptverfasser: 谷口, 英喜, 佐々木, 俊郎, 藤田, 久栄, 小林, 浩子, 牛込, 恵子, 川崎, 理栄子
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「I はじめに」術後回復の阻害因子として, 手術侵襲による糖・たんぱく代謝の異常, 疼痛, 消化管機能不全および不動などがあげられる. これらの阻害因子は, 術後患者の早期離床および経口摂取を妨げる. 術後回復促進策におけるアウトカムである在院日数の短縮や合併症の発症率低減は, 早期離床および経口摂取の遅延によると言われている. 術後回復促進策においては, 手術侵襲への対策として, 適切な麻酔管理により侵襲を最低限に抑えることが推奨されている. 例えば, 麻酔管理では, 鎮痛による侵襲反応の軽減, 適正な輸液管理, 体温管理, および術前, 術中の炭水化物負荷などが実施される. 麻酔科医は, 麻酔管理の工夫により, 術後患者の早期離床および経口摂取を促し, 術後回復促進を目指す. 本稿では, 手術侵襲の軽減を目的とした麻酔管理に関して概説する.
ISSN:0389-5564
2187-5154
DOI:10.11638/jssmn.50.5_255