心臓血管外科領域における術後急性期リハビリテーション

心臓血管外科領域における術前の栄養障害は術後合併症の発生率を増加させる.また栄養障害かつ低体力の患者は,術後リハビリテーション(リハ)の進行が遅れやすい.そのため,医療者は栄養状態の管理も含めた積極的な関わりを術前から持つことが重要である.これまでに治療的栄養介入としてはいくつかの報告があるが,臨床効果は限局的で今後の研究に期待されている.  心臓血管外科領域における術前リハの効果として,回復期リハの参加者数の増加などが報告されている.しかし報告は冠動脈バイパス術に関するものが多く,今後のさらなる研究に期待されている.また近年では術後リハはより早期に取り組まれる傾向にあるが,安易な離床は合併症...

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Veröffentlicht in:外科と代謝・栄養 2016, Vol.50(4), pp.229-236
Hauptverfasser: 諸冨, 伸夫, 小澤, 哲也
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:心臓血管外科領域における術前の栄養障害は術後合併症の発生率を増加させる.また栄養障害かつ低体力の患者は,術後リハビリテーション(リハ)の進行が遅れやすい.そのため,医療者は栄養状態の管理も含めた積極的な関わりを術前から持つことが重要である.これまでに治療的栄養介入としてはいくつかの報告があるが,臨床効果は限局的で今後の研究に期待されている.  心臓血管外科領域における術前リハの効果として,回復期リハの参加者数の増加などが報告されている.しかし報告は冠動脈バイパス術に関するものが多く,今後のさらなる研究に期待されている.また近年では術後リハはより早期に取り組まれる傾向にあるが,安易な離床は合併症の増加につながるおそれがある.早期離床を行う際には目的を明白にして介入方法を十分検討することが重要である.さらに合併症の発生リスクが高い場合には,理学療法士は医師と協働して安全を担保した状態でリハを実施することが望ましい.
ISSN:0389-5564
2187-5154
DOI:10.11638/jssmn.50.4_229