黒毛和種雌牛の過剰排卵処置による採卵性に関する量的遺伝学的研究

「はじめに」 1970年代から, 過剰排卵処置と胚移植(ET)は乳牛を対象に用いられるようになり, 凍結精液をともなう人工授精(AI)が登場して以降パワフルなツールになってきている. わが国では1980年代前半に現在のET技術体系の基礎が築かれ, 生産現場での技術普及が急速に進んだ. 黒毛和種の場合, ETは繁殖牛生産のみならず肥育牛生産にも用いられる. 乳牛へのETによる和牛生産は1990年代以降に急拡大し, 農林水産省によれば, 1980年から1990年の間に移植頭数は498頭から1万9865頭へと飛躍的に増えた(大呂2019). 近年では, 過剰排卵処置-胚移植(MOET)技術が普及して...

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Veröffentlicht in:動物遺伝育種研究 2024/02/01, Vol.52(1), pp.9
Hauptverfasser: 造田, 篤, 小川, 伸一郎
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」 1970年代から, 過剰排卵処置と胚移植(ET)は乳牛を対象に用いられるようになり, 凍結精液をともなう人工授精(AI)が登場して以降パワフルなツールになってきている. わが国では1980年代前半に現在のET技術体系の基礎が築かれ, 生産現場での技術普及が急速に進んだ. 黒毛和種の場合, ETは繁殖牛生産のみならず肥育牛生産にも用いられる. 乳牛へのETによる和牛生産は1990年代以降に急拡大し, 農林水産省によれば, 1980年から1990年の間に移植頭数は498頭から1万9865頭へと飛躍的に増えた(大呂2019). 近年では, 過剰排卵処置-胚移植(MOET)技術が普及してきている. わが国では2014年に約10万頭の乳牛に黒毛和種の胚が移植され, 42,000頭の子牛が出生したと推計されている. これは, 同年に生まれた黒毛和種の8%に相当し, 黒毛和種をドナーとしたETが和牛子牛生産の一役を担っていることを反映している.
ISSN:1345-9961
1884-3883
DOI:10.5924/abgri.52.9