ベトナム在来豚の多様性の解明に向けた分子遺伝学的解析の動向

「はじめに」人類はイノシシの家畜化以来, 豚を長きにわたって利用してきた. イノシシの家畜化は, ヨーロッパやアジア地域においてそれぞれ独立して進行したことが明らかとなっており, これらの地域で多くの在来品種が誕生してきた. 現在, 豚の品種は649種あるとされ, その中でも在来豚は280品種あるとされている. 特に, アジア地域には中国をはじめとして多くの品種が存在している. 鄭丕留によると中国には66品種を超える在来豚がいるとされており, これらの品種は近隣諸国における在来豚の成立に強く影響を及ぼしてきたと考えられる. 中国と国境を接するベトナム社会主義共和国(以下ベトナム)は歴史的にも地...

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Veröffentlicht in:動物遺伝育種研究 2019, Vol.47(1), pp.3-10
Hauptverfasser: 石原, 慎矢, 荒川, 愛作, 谷口, 雅章, 菊地, 和弘
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Zusammenfassung:「はじめに」人類はイノシシの家畜化以来, 豚を長きにわたって利用してきた. イノシシの家畜化は, ヨーロッパやアジア地域においてそれぞれ独立して進行したことが明らかとなっており, これらの地域で多くの在来品種が誕生してきた. 現在, 豚の品種は649種あるとされ, その中でも在来豚は280品種あるとされている. 特に, アジア地域には中国をはじめとして多くの品種が存在している. 鄭丕留によると中国には66品種を超える在来豚がいるとされており, これらの品種は近隣諸国における在来豚の成立に強く影響を及ぼしてきたと考えられる. 中国と国境を接するベトナム社会主義共和国(以下ベトナム)は歴史的にも地理的にも中国と密接に関わってきており, 在来豚について多くの品種が報告されている. ベトナムはインドシナ半島の東側に位置し, 国土は南北に1650km, 東西に600km広がる国であり, 中国, ラオスおよびカンボジアと国境を接している.
ISSN:1345-9961
1884-3883
DOI:10.5924/abgri.47.3