II-05 黒毛和種の枝肉重量に関するQTL候補領域のSNPsが説明する相加的遺伝分散の割合の推定

【目的】これまでに, 黒毛和種の枝肉重量に関する種々のQTL解析により, 関与するQTLの候補領域が絞り込まれてきている. また, 現在では, ウシ50KSNPチップも開発され, SNPの遺伝子型判定も可能となっている. 本研究では, これらの情報を合わせて取り上げ, 黒毛和種肥育牛の枝肉重量について, 現時点までに同定されているQTL候補領域内のSNPsによって説明される相加的遺伝分散の割合を推定した. 【方法】枝肉重量の記録の分布の上位・下位に属する468個体の記録を利用し, EIGENSTRATによって集団の構造化を補正した後に, Armitage傾向検定によりP値を計算した. ついで,...

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Veröffentlicht in:動物遺伝育種研究 2010, Vol.38 (2), p.135-135
Hauptverfasser: 渡邊敏夫, 荒川愛作, 祝前博明, 西村翔太, 高須賀晶子, 杉本喜憲
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:【目的】これまでに, 黒毛和種の枝肉重量に関する種々のQTL解析により, 関与するQTLの候補領域が絞り込まれてきている. また, 現在では, ウシ50KSNPチップも開発され, SNPの遺伝子型判定も可能となっている. 本研究では, これらの情報を合わせて取り上げ, 黒毛和種肥育牛の枝肉重量について, 現時点までに同定されているQTL候補領域内のSNPsによって説明される相加的遺伝分散の割合を推定した. 【方法】枝肉重量の記録の分布の上位・下位に属する468個体の記録を利用し, EIGENSTRATによって集団の構造化を補正した後に, Armitage傾向検定によりP値を計算した. ついで, これらの個体とは別の872個体の形質記録および個体あたり39,510個のSNPs情報を利用して, 分散成分の推定を行った. SNPについては, P値が5%を下回る2,271のSNPs, ならびにそれらのSNPsからこれまでに報告されている6番, 8番および14番のQTL候補領域に存在する計34のSNPsを抽出し, それぞれのSNPsを説明変数とした解析を実施した. 分析モデルには, ポリジーン効果および選択したSNPsの効果を取り上げ, 分散の推定はベイズ法により行った. ここでは, 相加的血縁行列に代えて, 選択したSNPsを除いたSNPsのデータによって作成したゲノム関係行列を用いた. 【結果】残差分散および総相加的遺伝分散の推定値には, SNPの選択の如何に関わらず, 大きな変化は認められなかった. モデルにQTL候補領域内に存在する34のSNPsの効果を取り上げた場合, それらのSNPsによって説明される相加的遺伝分散は, 総相加的遺伝分散の23%程度であった. GWASにおけるP値が5%を下回るSNPsをすべて取り上げたときには, 総相加的遺伝分散の50%程度が説明された. 今後は, 主に他品種に関して明らかにされているQTL候補領域をも取り上げ, 説明される相加的遺伝分散の割合の評価を行う予定である.
ISSN:1345-9961