V-07 乳用候補種雄牛におけるゲノミック評価値の正確度

【目的】本研究では, 高密度SNPマーカーに基づくゲノミック予測値の正確度について検証した. 【材料と方法】現在までにわが国で供用されたホルスタイン種雄牛1835頭の精液からDNAを抽出し, Illumina bovineSNP50 BeadChipを用いてSNP型判定を行った. マイナーアリル頻度とcall rateにより選別を行い, 最終的に個体あたり39,081個のSNPを分析に供した. 不明アリルは, Genglerら(2007)の混合モデル法により補完した. 前述の種雄牛のうち, 2005年2月の乳用種雄牛評価において推定育種価(EBV05)が掲載された1,423頭をリファレンス集団...

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Veröffentlicht in:動物遺伝育種研究 2009, Vol.37 (2), p.187-187
Hauptverfasser: 増田豊, 山口茂樹, 荻野敦, 渡邊敏夫
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Zusammenfassung:【目的】本研究では, 高密度SNPマーカーに基づくゲノミック予測値の正確度について検証した. 【材料と方法】現在までにわが国で供用されたホルスタイン種雄牛1835頭の精液からDNAを抽出し, Illumina bovineSNP50 BeadChipを用いてSNP型判定を行った. マイナーアリル頻度とcall rateにより選別を行い, 最終的に個体あたり39,081個のSNPを分析に供した. 不明アリルは, Genglerら(2007)の混合モデル法により補完した. 前述の種雄牛のうち, 2005年2月の乳用種雄牛評価において推定育種価(EBV05)が掲載された1,423頭をリファレンス集団と定義した. また, その時点で候補種雄牛であり, 2009年2月の段階で育種価(EBV09)が得られた407頭を予測対象集団とした. 対象形質は, 乳量, 乳脂率, 乳蛋白量, 肢蹄, 乳器および決定得点とした. EBV05とSNPデータに基づき, リッジ回帰, BLUP, VanRaden(2008)の線形法, 非線形AおよびB法を用いて, 各形質についてそれぞれ直接ゲノム価(DGV)を算出し, EBV09との相関を計算した. また, 国際種雄牛評価値が利用可能になった平成16年度の候補種雄牛84頭について, 育種価の両親平均(PA)との相関も計算した. 【結果】予測対象集団において, DGVとEBV09の相関は, いずれの手法においても各形質とも0.30から0.65の範囲にあった. 非線形A法からの相関係数は平均して高く, 上記の各形質に対して, それぞれ0.47, 0.65, 0.32, 0.50, 0.43, 0.51であった. 平成16年度の種雄牛について, 乳量, 乳蛋白質量, 乳器, 決定得点について, PAとEBV09の相関は, それぞれ0.17, 0.03, 0.02, 0.00であった. 一方, 非線形A法によるDGVとEBV09との相関は, それぞれ0.37, 0.14, 0.27, 0.25であった. わが国において, ゲノミック予測値による予備選抜は, PAに基づくそれよりも正確であると示唆された.
ISSN:1345-9961