I-02ニワトリMHCハプロタイプにおけるゲノム情報と関連解析への応用

ニワトリのMHC(B)領域は多くの疾患との関連が認められるゲノム領域であるが, 高度な遺伝的多型を示す-方で, 極めて強い連鎖不平衡を有するが故に, 組み換え個体を得るのが困難であることが疾患責任遺伝子の同定の障害であった. よって, 疾患と関連のあるBハプロタイプを含む個体のリシークエンスにより多型情報を収集することはMHC連鎖疾病の責任遺伝子同定のための基盤となる. 本研究では疾患と関連するハプロタイプを含む, 主要な14ハプロタイプにおけるB領域の塩基配列を決定, 比較することで一塩基置換(SNP), 挿入欠失(Indel)および遺伝子構造の多型情報を整理することを目的とした. 塩基配列...

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Veröffentlicht in:動物遺伝育種研究 2008, Vol.36 (2), p.216-216
Hauptverfasser: 細道一善, 鈴木進悟, Ronald M. Goto, 西堀正英, 半澤恵, Marcia M. Miller, 井ノ上逸朗, 猪子英俊, 椎名隆
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:ニワトリのMHC(B)領域は多くの疾患との関連が認められるゲノム領域であるが, 高度な遺伝的多型を示す-方で, 極めて強い連鎖不平衡を有するが故に, 組み換え個体を得るのが困難であることが疾患責任遺伝子の同定の障害であった. よって, 疾患と関連のあるBハプロタイプを含む個体のリシークエンスにより多型情報を収集することはMHC連鎖疾病の責任遺伝子同定のための基盤となる. 本研究では疾患と関連するハプロタイプを含む, 主要な14ハプロタイプにおけるB領域の塩基配列を決定, 比較することで一塩基置換(SNP), 挿入欠失(Indel)および遺伝子構造の多型情報を整理することを目的とした. 塩基配列は14ハプロタイプのホモ接合体であるニワトリ14個体のゲノムDNAを鋳型として, クラスI~II領域を網羅するBG1からBF2までの約59kbを19個のPCR産物により増幅し, これらのダイレクトシークエンシングにより決定した. いずれのハプロタイプにおいてもPCR増幅が確認され, B領域の遺伝子構成はハプロタイプ間で保存されていた. 決定したB領域の塩基配列を比較したところ, その多様性は交差および遺伝子変換により形成され, セキショクヤケイとの比較から形成時期は家禽化以前であると推測された. また, 検出されたSNPおよびIndelの多型情報をデータベース化し, マレック病と関連する候補多型を抽出したところ, 領域全体で216, このうち遺伝子領域に122, 遺伝子のうちCDSに52カ所が検出された. さらに, CDSのSNPは同義置換が32, 非同義置換が20であり, 非同義置換のうち10カ所はアミノ酸の性質が異なるものであった. 我々はこれを発展させ, データベースに基づいて疾患と関連する可能性のある候補多型を抽出し, 症例対照研究による関連解析を行う手法の確立を目指している.
ISSN:1345-9961