II-05 ウシ脂肪酸代謝遺伝子の遺伝子型と体脂肪酸組成における効果
【目的】ウシの体脂肪酸組成は重要な産肉形質の一つであると評価され始めている. 脂肪酸の不飽和度が高いと特有の芳香を生じ, 食味性に大きく影響するためである. 近年, ウシの脂肪酸組成に関わる遺伝子とその遺伝子変異が同定されつつある. そこで本研究では, これら遺伝子型の違いが脂肪酸組成に及ぼす効果を包括的に検証した. 【方法】黒毛和種肥育牛417頭及び後代検定牛233頭からなる2集団の牛の腎周囲脂肪組織から脂肪酸を抽出し, ガスクロマトグラフィーにより脂肪酸組成を調べた. また筋肉組織からDNA抽出後, 脂肪酸組成に影響すると報告されているstearoyl-CoA desaturase(SCD...
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Veröffentlicht in: | 動物遺伝育種研究 2007, Vol.35 (2), p.234-234 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 【目的】ウシの体脂肪酸組成は重要な産肉形質の一つであると評価され始めている. 脂肪酸の不飽和度が高いと特有の芳香を生じ, 食味性に大きく影響するためである. 近年, ウシの脂肪酸組成に関わる遺伝子とその遺伝子変異が同定されつつある. そこで本研究では, これら遺伝子型の違いが脂肪酸組成に及ぼす効果を包括的に検証した. 【方法】黒毛和種肥育牛417頭及び後代検定牛233頭からなる2集団の牛の腎周囲脂肪組織から脂肪酸を抽出し, ガスクロマトグラフィーにより脂肪酸組成を調べた. また筋肉組織からDNA抽出後, 脂肪酸組成に影響すると報告されているstearoyl-CoA desaturase(SCD), fatty acid synthase(FASN), sterol regulatory element binding protein-1(SREBP1)の各遺伝子型についてPCR-RFLPにより判別を行った. 脂肪酸組成, 枝肉形質に影響を及ぼす各要因の効果は分散分析により有意差検定を行い, 各遺伝子型の効果は最小2乗平均差のTukeyのHSD検定で調査した. 【結果】SCD遺伝子型については, 特にC18:1及び一価不飽和脂肪酸含有量で有意(p<0.01)であった. FASN遺伝子型については, 後代検定牛でC18:0, C18:2以外のC14-18全脂肪酸に有意(p<0.05)であったが, 肥育牛集団ではほとんど有意差は認められなかった. SREBP1遺伝子型においては, 肥育牛集団の14:0, C16:0においてのみ有意差(p<0.01)が認められた. これらの結果より, それぞれの集団における脂肪酸組成に対するSCD, FASN, SREBP1の各遺伝子型の影響が明らかとなり, 育種改良の指標となりうることが示唆された. |
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ISSN: | 1345-9961 |