II-04 ゴールデンハムスターの発育に伴う直接および母性遺伝分散の推定と遺伝的趨勢

同じ基礎集団を起源とする3,360腹から生まれた計17,736頭のハムスターの3週齢体重(BW3), 5週齢体重(BW5)および8週齢体重(BW8)の記録を分析に供した. ハムスターは近交系四元雑種の子を基礎集団とし, 産子数, 離乳時一腹体重および8週齢体重による選抜(W系), 産子数および離乳時一腹体重による選抜(R系), および無作為選抜(C系)を行った. 選抜開始後15世代でW系とR系を交配し, その後無作為選抜により10世代維持(K系)した. また, C系は実験期間を通し, 系統内無作為交配により25世代維持した. 遺伝的パラメーターは, アニマルモデルによるREML法により推定した...

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Veröffentlicht in:動物遺伝育種研究 2000, Vol.28 (1), p.124-124
Hauptverfasser: 佐藤正寛, 高橋秀彰, 峰澤満, 古川力
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:同じ基礎集団を起源とする3,360腹から生まれた計17,736頭のハムスターの3週齢体重(BW3), 5週齢体重(BW5)および8週齢体重(BW8)の記録を分析に供した. ハムスターは近交系四元雑種の子を基礎集団とし, 産子数, 離乳時一腹体重および8週齢体重による選抜(W系), 産子数および離乳時一腹体重による選抜(R系), および無作為選抜(C系)を行った. 選抜開始後15世代でW系とR系を交配し, その後無作為選抜により10世代維持(K系)した. また, C系は実験期間を通し, 系統内無作為交配により25世代維持した. 遺伝的パラメーターは, アニマルモデルによるREML法により推定した. 推定に用いた数学モデルは, 変量効果として, 直接遺伝効果, 母性遺伝効果, 共通環境(一腹)効果および無作為環境効果, 母数効果として, 系統, 世代, 性, 離乳頭数および近交係数を用いた. ただし, 離乳頭数と近交係数は共変量とした. 表型分散に占める相加的遺伝分散の割合(h2a)は, BW3で0.07であったが, 発育に伴って増加し, BW5で0.15, BW8で0.23となった. 一方, 表型分散に占める母性遺伝分散の割合(h2m)は, BW3で0.13であったが, BW5で0.09, BW8で0.07と発育に伴い減少した. 表型分散に占める共通環境分散の割合(c2)は, 母性遺伝分散と同様, 発育に伴い減少した. いずれの週齢においても, c2はh2mの約3倍の大きさであった. 各週齢体重における直接遺伝効果と母性遺伝効果との相関(ram)は, 0.35-0.40の範囲で推定された. h2a, h2mおよびramから推定した遺伝率は, BW3, BW5およびBW8でそれぞれ0.18, 0.26, 0.33であった.これらの遺伝的パラメーターの推定値に基づき, 各形質の遺伝的趨勢を系統別に推定した結果, 選抜系では, R系におけるBW8の母性遺伝効果を除き, プラス方向に推移した. また, C系およびK系は, いずれの形質の遺伝効果においても, 大きな変化はみられなかった.
ISSN:1345-9961