地震災害時の医療機能に対する影響評価の試み—大阪北部地震の影響分析から

【目的】災害拠点病院で近年事業継続計画(BCP)策定が義務化されるなど、災害時の医療機能継続については喫緊の課題であるが、病院施設が被災した際の医療機能への影響評価手法は確立していない。【方法】本研究ではアンケート調査から大阪北部地震時の病院の建物・設備に対する被害と地震動の関係を明らかにするとともに、その結果をもとに京都市内の病院を対象に南海トラフ巨大地震等の発生時に病院施設が受ける被害の可能性を明らかにした。【結果】その結果、発生確率が高いとされる南海トラフ地震では、京都のように震源から大きく離れた地域においても、大阪北部地震以上の揺れが想定され、建築構造的な被害が発生しなくても医療機能の...

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Veröffentlicht in:Japanese Journal of Disaster Medicine 2022/12/08, Vol.27(3), pp.195-200
Hauptverfasser: 石原, 由菜, 牧, 紀男, 倉田, 真宏, 趙, 晃済, 大鶴, 繁
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:【目的】災害拠点病院で近年事業継続計画(BCP)策定が義務化されるなど、災害時の医療機能継続については喫緊の課題であるが、病院施設が被災した際の医療機能への影響評価手法は確立していない。【方法】本研究ではアンケート調査から大阪北部地震時の病院の建物・設備に対する被害と地震動の関係を明らかにするとともに、その結果をもとに京都市内の病院を対象に南海トラフ巨大地震等の発生時に病院施設が受ける被害の可能性を明らかにした。【結果】その結果、発生確率が高いとされる南海トラフ地震では、京都のように震源から大きく離れた地域においても、大阪北部地震以上の揺れが想定され、建築構造的な被害が発生しなくても医療機能の継続という観点からは、大きな問題となるような影響が発生することが示唆された。【考察】このように本研究は工学的手法を用いて医療機能継続の意思決定支援手法の開発を試みる独自性の高いものであり、今後の展開が期待できる。
ISSN:2189-4035
2434-4214
DOI:10.51028/jjdisatmed.27.3_195