外来通院する慢性疾患児の治療及び日常生活の現状と外来看護に対する家族の認識

1. はじめに 高度な医療技術の進歩に伴い, これまで死に至っていた病気においても, 救命率が高くなっている. その一方で慢性疾患や障害を持ち長期に療養する子どもたちが増えている. そして, こうした子どもたちのQOLも考慮されるようになり, これまで長期にわたって入院治療を余儀なくされていたが, 現在ではその入院治療期間は徐々に短縮傾向にあると思われる. これは, 病気の管理をしながら, 家庭, 地域で生活を送っている慢性疾患を持つ子どもや家族が増加していることを意味する. 慢性疾患や障害を持つ子どもたちや家族は, 身体面, 成長発達面, 情緒面, 経済面等の多様で複雑な問題を抱えており,...

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Veröffentlicht in:福島県立医科大学看護学部紀要 2003-03 (5), p.57-68
Hauptverfasser: 鈴木千衣, 小原美江, 及川郁子, 平林優子, 横山由美, 鈴木里利, 川口千鶴, 石井由美
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:1. はじめに 高度な医療技術の進歩に伴い, これまで死に至っていた病気においても, 救命率が高くなっている. その一方で慢性疾患や障害を持ち長期に療養する子どもたちが増えている. そして, こうした子どもたちのQOLも考慮されるようになり, これまで長期にわたって入院治療を余儀なくされていたが, 現在ではその入院治療期間は徐々に短縮傾向にあると思われる. これは, 病気の管理をしながら, 家庭, 地域で生活を送っている慢性疾患を持つ子どもや家族が増加していることを意味する. 慢性疾患や障害を持つ子どもたちや家族は, 身体面, 成長発達面, 情緒面, 経済面等の多様で複雑な問題を抱えており, 子どもや家族の状況に応じた個別的, 組織的対応が必要であるといわれている1>. しかしながら, 我が国においては子どもたちの退院後のケアについては, きちんとシステム化されていないのが現状である. 筆者らが行った調査では, 退院時のケアとして行われているのは, 必要な医療処置のケア, 生活における注意事項, 緊急時の対応に留まり, それ以外のケアについては手が回らないといった現状が明らかになっている.
ISSN:1344-6975