Severe acute respiratory syndrome coronavirus 2 (SARS-CoV-2) オミクロン株の分離培養に用いる培養細胞の検討
「背景:」Severe acute respiratory syndrome coronavirus 2(SARS-CoV-2)オミクロン株は, 当初の武漢株からデルタ株までの分離培養においてウイルス分離成績が良好であったVeroE6/TMPRSS2細胞を用いても分離培養が困難となった. そこで, オミクロン株の分離率を向上するため, 分離培養に用いる培養細胞についての検討を行った. 「方法:」Vero系細胞およびCalu-3細胞を用いて, 咽頭ぬぐい液や唾液などの臨床検体よりオミクロン株の分離培養を行い, 各細胞によるオミクロン株の分離率を比較し, オミクロン株を効果的に分離培養のできる培養...
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Veröffentlicht in: | 北里医学 2023-12, Vol.53 (2), p.53-58 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「背景:」Severe acute respiratory syndrome coronavirus 2(SARS-CoV-2)オミクロン株は, 当初の武漢株からデルタ株までの分離培養においてウイルス分離成績が良好であったVeroE6/TMPRSS2細胞を用いても分離培養が困難となった. そこで, オミクロン株の分離率を向上するため, 分離培養に用いる培養細胞についての検討を行った. 「方法:」Vero系細胞およびCalu-3細胞を用いて, 咽頭ぬぐい液や唾液などの臨床検体よりオミクロン株の分離培養を行い, 各細胞によるオミクロン株の分離率を比較し, オミクロン株を効果的に分離培養のできる培養細胞の検索を行った. 「結果:」オミクロン株を分離培養するための培養細胞の検討を行った結果, VeroE6/TMPRSS2/T2A/ACE2細胞が最もオミクロン株を分離することができた. オミクロン株の分離培養には, VeroE6/TMPRSS2/T2A/ACE2細胞が最も有用であることが判明した. また, この細胞の分離成績に匹敵したものは, VeroE6細胞とアムホテリシンB添加維持培地の組み合わせであった. 「結語:」オミクロン株は武漢株やデルタ株に比べて, Vero系細胞でのウイルス分離率が低下してきた. しかし, 分離培養に用いる培養細胞の検討をおこなうことにより分離率の向上を図ることができた. 今後も変異を繰り返すSARS-CoV-2の分離培養には, 最適な培養細胞を選定し, 適切な細胞を用いて分離培養を行う必要がある. |
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ISSN: | 0385-5449 |