「第32回北里腫瘍フォーラム」 ロボット支援腹腔鏡下胃切除術の現状と展望

手術支援ロボット(ダビンチ)は胃癌手術のリンパ節郭清に要求される繊細な操作を行う際に有用と考えられる. 実際, ダビンチ胃切除術は従来型の腹腔鏡下胃切除術よりも手術時間は長くかかるものの, 合併症が少なく, 出血量も少なく, 郭清リンパ節個数は同程度と報告されている. 北里大学では2015年2月に, 胃癌に対してダビンチ胃切除術を開始した. 同時期に行われた従来型腹腔鏡手術に比べて手術時間は長くかかったが, 郭清リンパ節個数は有意に多く, 出血量は少ない傾向があり, 術後在院日数も短い傾向があった. また, ダビンチ胃切除術では, 治療を要する合併症は認められなかった. ダビンチ胃切除術は保険...

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Veröffentlicht in:北里医学 2017-06, Vol.47 (1), p.67-70
Hauptverfasser: 細田桂, 三重野浩朗, 江間玲, 鷲尾真理愛, 森谷宏光, 山下継史, 渡邊昌彦
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:手術支援ロボット(ダビンチ)は胃癌手術のリンパ節郭清に要求される繊細な操作を行う際に有用と考えられる. 実際, ダビンチ胃切除術は従来型の腹腔鏡下胃切除術よりも手術時間は長くかかるものの, 合併症が少なく, 出血量も少なく, 郭清リンパ節個数は同程度と報告されている. 北里大学では2015年2月に, 胃癌に対してダビンチ胃切除術を開始した. 同時期に行われた従来型腹腔鏡手術に比べて手術時間は長くかかったが, 郭清リンパ節個数は有意に多く, 出血量は少ない傾向があり, 術後在院日数も短い傾向があった. また, ダビンチ胃切除術では, 治療を要する合併症は認められなかった. ダビンチ胃切除術は保険収載されれば急速に広まっていく可能性がある. 「序文」手術支援ロボットda Vinci Surgical System(以下ダビンチと省略)は2000年に米国のFDAで承認され, 同年に日本で治験が始まった. 2009年に日本で薬事承認されたのち, 次第に普及が始まった.
ISSN:0385-5449