ナチュラルキラーT(natural killer T: NKT)細胞の分化と機能 ―後編

NKT細胞は, CD1d拘束性に脂質抗原を認識する自然T細胞の1亜群である. NKT細胞の抗原認識・活性化によって, 迅速・多量のサイトカイン産生はじめとして多彩な生物活性を発揮する. NKT細胞は, この活性発現の結果, 感染症・免疫関連疾患(自己免疫・アレルギー)・生活習慣病など様々な疾患の発症・進展過程に対して, 防御的・有益な効果あるいは逆に感受性・有害な効果をもたらす. このような性質を利用あるいは理解した上で, NKT細胞を疾患の制御や治療に応用する道を探索することが肝要である. [はじめに]NKT細胞の分化と機能―前編―では, 主に分化過程と一般的な細胞機能の特徴について述べた....

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Veröffentlicht in:北里医学 2012-06, Vol.42 (1), p.19-31
1. Verfasser: 岩渕和也
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:NKT細胞は, CD1d拘束性に脂質抗原を認識する自然T細胞の1亜群である. NKT細胞の抗原認識・活性化によって, 迅速・多量のサイトカイン産生はじめとして多彩な生物活性を発揮する. NKT細胞は, この活性発現の結果, 感染症・免疫関連疾患(自己免疫・アレルギー)・生活習慣病など様々な疾患の発症・進展過程に対して, 防御的・有益な効果あるいは逆に感受性・有害な効果をもたらす. このような性質を利用あるいは理解した上で, NKT細胞を疾患の制御や治療に応用する道を探索することが肝要である. [はじめに]NKT細胞の分化と機能―前編―では, 主に分化過程と一般的な細胞機能の特徴について述べた. 後編においては, 各種疾患の発症や進展過程におけるNKT細胞の役割と, 疾患の進展制御や治療へのNKT細胞の利用可能性について述べたい. [疾患とNKT細胞]NKT細胞は, その遺伝的な要因(intrinsic factors)を基盤に, 環境因子・食餌・(病原性・常在菌叢・環境)微生物などの外因由来の脂質リガンドの刺激など(inputs)により, Th1・Th2・Th17様の応答を生じる(effects).
ISSN:0385-5449