マウスの腫瘍成長と血管新生を増強するmPGES-1発現骨髄細胞について

背景:COX2阻害薬が副作用の問題があるため, 癌治療への利用においてより選択的な阻害薬が望まれている. 特異的にPGE合成に関与するmPGES-1を阻害し, 腫瘍の成長, 血管新生における効果を評価した. 骨髄由来のmPGES-1発現細胞の腫瘍血管新生における役割について骨髄キメラマウスを用い, 評価した. 方法:ワイルドタイプマウス(WT)とmPGES-1のノックアウトマウス(KO)を用いて, 皮下にLewis lung carcinomaの腫瘍株を接種し, 腫瘍増殖を経時的に調べ, 血管新生の評価を行った. mPGES-1KOマウス及びWTマウスの骨髄キメラマウスに腫瘍細胞やチャンバー,...

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Veröffentlicht in:北里医学 2011, Vol.41 (1), p.79-79
Hauptverfasser: 鎌田弘樹, 細野加奈子, 鈴木立紀, 小川恭史, 久保任史, 加藤弘, 伊藤義也, 植松智, 審良静男, 渡邊昌彦, 馬嶋正隆
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:背景:COX2阻害薬が副作用の問題があるため, 癌治療への利用においてより選択的な阻害薬が望まれている. 特異的にPGE合成に関与するmPGES-1を阻害し, 腫瘍の成長, 血管新生における効果を評価した. 骨髄由来のmPGES-1発現細胞の腫瘍血管新生における役割について骨髄キメラマウスを用い, 評価した. 方法:ワイルドタイプマウス(WT)とmPGES-1のノックアウトマウス(KO)を用いて, 皮下にLewis lung carcinomaの腫瘍株を接種し, 腫瘍増殖を経時的に調べ, 血管新生の評価を行った. mPGES-1KOマウス及びWTマウスの骨髄キメラマウスに腫瘍細胞やチャンバー, スポンジを皮下に接種し, 同様に評価を行った. 結果:単純に腫瘍を移植したモデルでは有意にワイルドタイプの腫瘍が大きく成長し, 血管新生も著明であった. mPGES-1KOマウスの骨髄キメラマウスにおいて腫瘍の成長やストローマでの血管新生はWT骨髄キメラマウスと比較し, 明らかに抑制された. 結語:mPGES-1阻害により腫瘍の成長や血管新生が抑制されること, さらに骨髄由来のmPGES-1発現細胞のストローマへの浸潤が, 腫瘍の成長及び宿主のストローマ組織での腫瘍血管新生において重要な役割を果たしている.
ISSN:0385-5449