心拍数の基準範囲設定と心拍数の増加に影響を及ぼす生活習慣

1. 緒言 健常者における安静時心拍数の基準範囲は, 成書では50~100回/分1)または60~100回/分2)とされている. しかしながら, 大多数の健常者を扱う人間ドックでみると, 心拍数が80回/分以上を示す例は多くはない. そこでわれわれは, 健常者の安静時心拍数の基準範囲を検討した. また, 心拍数は血圧と並んで循環機能の基本的な指標である. 近年は家庭用血圧計が普及し, 血圧は注目されているが, 医療の現場においても心拍数にはほとんど目が向けられていない. 国内外の疫学研究では, 心拍数が高い人ほど死亡率が増加することが報告されている3). Framingham Study4)では...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:日本未病システム学会雑誌 2005/09/26, Vol.11(1), pp.51-53
Hauptverfasser: 下嶽, 京子, 和田, 高士, 一里塚, 敏子, 近藤, 敏江, 田崎, 雅子, 堂満, 憲一
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:1. 緒言 健常者における安静時心拍数の基準範囲は, 成書では50~100回/分1)または60~100回/分2)とされている. しかしながら, 大多数の健常者を扱う人間ドックでみると, 心拍数が80回/分以上を示す例は多くはない. そこでわれわれは, 健常者の安静時心拍数の基準範囲を検討した. また, 心拍数は血圧と並んで循環機能の基本的な指標である. 近年は家庭用血圧計が普及し, 血圧は注目されているが, 医療の現場においても心拍数にはほとんど目が向けられていない. 国内外の疫学研究では, 心拍数が高い人ほど死亡率が増加することが報告されている3). Framingham Study4)では, 心拍数が高い人ほど冠動脈性心疾患, 心血管系疾患, 全死亡の割合が高くなることが認められている. また国内においても, 田主丸スタディ5)では安静時心拍数を5群に分けて, 心拍数と生存率の関連性を検討している. 死亡率が最も高かったのは90回/分以上であり, 頻脈群の方が生存率の低いことが認められている. そこで, 心拍数の高い者の生活習慣の特徴を見出すことを本研究の目的とした.
ISSN:1347-5541
2185-2162
DOI:10.11288/mibyou1998.11.51