食品による制癌効果ならびに放射線防御作用

1. はじめに 大豆や味噌が様々な生理機能を有していることはよく知られている. 動物実験により, 味噌はラットの胃腫瘍1), 大腸癌の前癌病変(ACF)2), マウス肝腫瘍3, 4)ならびにラットの乳癌5, 6)を抑制し, 放射線防御作用7)を発揮するが, その作用が大豆によるものか発酵によるものかは不明であった. そこで, 味噌の熟成度の差による制癌効果ならびに放射線防御作用を, また, 同様な効果が健康食品にも存在するかを検討した. 2. 実験結果 1. 胃癌血圧 5週齢の雄CDラットにN-methyl-N'-nitro-N-nitro-soguanidine(MNNG)の100...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:日本未病システム学会雑誌 2005/09/26, Vol.11(1), pp.7-11
1. Verfasser: 渡辺, 敦光
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:1. はじめに 大豆や味噌が様々な生理機能を有していることはよく知られている. 動物実験により, 味噌はラットの胃腫瘍1), 大腸癌の前癌病変(ACF)2), マウス肝腫瘍3, 4)ならびにラットの乳癌5, 6)を抑制し, 放射線防御作用7)を発揮するが, その作用が大豆によるものか発酵によるものかは不明であった. そこで, 味噌の熟成度の差による制癌効果ならびに放射線防御作用を, また, 同様な効果が健康食品にも存在するかを検討した. 2. 実験結果 1. 胃癌血圧 5週齢の雄CDラットにN-methyl-N'-nitro-N-nitro-soguanidine(MNNG)の100ppmを飲料水として4ヵ月投与した. その間, 10%味噌, 味噌と同じ食塩濃度2.2%, 5%味噌, ならびに同じ食塩濃度1.1%を与え, その後MF餌に交換し, 発癌物質開始1年後に動物を剖検した. 食塩2.2%群では68%に, 1.1%群では60%に, 一方10%味噌投与群では45%に, 5%味噌投与群では37%に胃腫瘍は減少した. 大きさもそれぞれ4.1, 4.5, 2.3, ならびに2.0mmと, 味噌群は同じ食塩濃度群に比べて胃腫瘍を有意に縮小させた(Table1)1).
ISSN:1347-5541
2185-2162
DOI:10.11288/mibyou1998.11.7