高温多湿ストレス曝露マウスに対する生薬の精巣保護作用

1. 緒言 不妊症は, 生殖年齢にある夫婦が避妊することなく2年間経過しても妊娠できない場合を定義し, わが国では約10%の夫婦(40歳未満の有配偶者夫婦のうち約130万組)が不妊症である. 不妊の原因は男性, 女性側とも多岐にわたることが明らかとなり, 女性側では内分泌不全による排卵障害, 卵管閉塞, 子宮内膜症などが挙げられる. 一方, 男性側に主たる原因がある男性不妊は不妊原因の約50%を占め, その約90%は精巣原発の造精機能障害による精液所見不良例である. 精子濃度20×106/mL以下を乏精子症, 精子運動率50%以下を精子無力症と定義し, 精液検査によりこれら基準値以下を示す症例...

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Veröffentlicht in:日本未病システム学会雑誌 2004/08/30, Vol.10(1), pp.115-117
Hauptverfasser: 田村, 哲彦, 張替, 直輝, 兼子, 智, 田代, 眞一
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:1. 緒言 不妊症は, 生殖年齢にある夫婦が避妊することなく2年間経過しても妊娠できない場合を定義し, わが国では約10%の夫婦(40歳未満の有配偶者夫婦のうち約130万組)が不妊症である. 不妊の原因は男性, 女性側とも多岐にわたることが明らかとなり, 女性側では内分泌不全による排卵障害, 卵管閉塞, 子宮内膜症などが挙げられる. 一方, 男性側に主たる原因がある男性不妊は不妊原因の約50%を占め, その約90%は精巣原発の造精機能障害による精液所見不良例である. 精子濃度20×106/mL以下を乏精子症, 精子運動率50%以下を精子無力症と定義し, 精液検査によりこれら基準値以下を示す症例は治療を必要とする. 造精機能障害は精索静脈瘤などを除き, 病理学的背景を特定できる症例は少なく, 多くは特発性(原因不明)である. 挙児を希望する夫婦にとって不妊症は疾患であり, 希望しない夫婦にとっては疾患との認識はない. 妊娠を望むまで異常が発見されず, いつのまにか症状が進行する病態はまさに「未病」の範疇に属すると思われる.
ISSN:1347-5541
2185-2162
DOI:10.11288/mibyou1998.10.115