総コレステロール値の低下が及ぼす血液データへの影響
1. 背景 近年, 貧血増加が問題視されている. 平成13年国民栄養調査結果1)では, 国民1人1日当たりの栄養素摂取量はおおむね所要量を上回っている中で, 鉄の摂取量が下回った. 図1に示したように, われわれの外来へ通院した患者で6ヵ月間投薬の変更なし, 体重の増減も顕著でないが, 血清コレステロール値とヘマトクリット(Hct)値が同じように推移した. 2. 目的 1950年代に行われたKeysらの日本を含めた7カ国共同研究2)で, 高コレステロール血症が心疾患の危険因子であることが明らかにされ, 以後多くの大規模試験で認知されている. 一方, 治療による副作用は, 横紋筋融解症など一部の...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | 日本未病システム学会雑誌 2004/08/30, Vol.10(1), pp.64-66 |
---|---|
Hauptverfasser: | , , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 1. 背景 近年, 貧血増加が問題視されている. 平成13年国民栄養調査結果1)では, 国民1人1日当たりの栄養素摂取量はおおむね所要量を上回っている中で, 鉄の摂取量が下回った. 図1に示したように, われわれの外来へ通院した患者で6ヵ月間投薬の変更なし, 体重の増減も顕著でないが, 血清コレステロール値とヘマトクリット(Hct)値が同じように推移した. 2. 目的 1950年代に行われたKeysらの日本を含めた7カ国共同研究2)で, 高コレステロール血症が心疾患の危険因子であることが明らかにされ, 以後多くの大規模試験で認知されている. 一方, 治療による副作用は, 横紋筋融解症など一部の激しい症状をみるもの以外は, 軽微な徴候とされている. これまで, 低コレステロール状態が細動脈硬化に伴う脳出血などの危険因子として注意を喚起されているが, 細胞膜組成の一部として生理的な意義が認識されているものの, 高脂血症患者対象の治療においてはあまり重視されていなかった. 高齢化社会が到来した今日, 高齢者を対象とした食事や薬物治療中に貧血を示す多くの症例が認められており, その実態について調査した. |
---|---|
ISSN: | 1347-5541 2185-2162 |
DOI: | 10.11288/mibyou1998.10.64 |