今, 未病研究に要るもの: 展望, 方法論, そして技術と指標

1. はじめに 本学会も, 第10回という記念すべき会を迎えるに至った. この機会にぜひ強調したいことは, 今, さらなる飛躍的発展のためには, 未病研究にふさわしい方法論や技術の開発に力を入れることの重要性である. 2. 生活習慣病との闘いが未病の重要課題 今, に本は世界一の長寿国になった. 女性の健康寿命は約75歳となり, 世界最短の国の実に3倍となっている. しかし, これはごく最近のことであり, 私の生まれた1947年には, 男性の平均寿命が50.06歳, 女性で53.96歳と, まだ人生50年の時代であった. 日本人女性の生存率曲線をみると, 第二次世界大戦時の歪められた人口統計情...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:日本未病システム学会雑誌 2004/08/30, Vol.10(1), pp.8-12
1. Verfasser: 田代, 眞一
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:1. はじめに 本学会も, 第10回という記念すべき会を迎えるに至った. この機会にぜひ強調したいことは, 今, さらなる飛躍的発展のためには, 未病研究にふさわしい方法論や技術の開発に力を入れることの重要性である. 2. 生活習慣病との闘いが未病の重要課題 今, に本は世界一の長寿国になった. 女性の健康寿命は約75歳となり, 世界最短の国の実に3倍となっている. しかし, これはごく最近のことであり, 私の生まれた1947年には, 男性の平均寿命が50.06歳, 女性で53.96歳と, まだ人生50年の時代であった. 日本人女性の生存率曲線をみると, 第二次世界大戦時の歪められた人口統計情報は別として, 19世紀末から敗戦時まではほとんど変わりがない. 5~10歳までに1/4~1/5が死に, さらに, いったん治まった急激な減少が20歳前後から60歳頃までの働き盛りで直線的な減少に移行する. これらはそれぞれ, 乳幼児の感染症と結核によるものであり, 感染症との戦いが大きな課題であったことを教えている. アフリカの国々の平均寿命, まして健康寿命が低いのも, 内乱や飢餓などもあるものの, AIDSの影響が大きい. また当時の生存率は, 60歳を超した頃から90~100歳にかけて急激に低下している.
ISSN:1347-5541
2185-2162
DOI:10.11288/mibyou1998.10.8