MC-FANの臨床への導入と未病の拾い上げの試み

1. はじめに 最近, 未病という古くて新しい概念が西洋医学に加わった. 未病は, 2000年前の中国最古の医学書『黄帝内経』に記された「未だ病にあらず」に由来する. ところで西洋医学では, "健康"と"病気"の2つに無理に分類してしまう傾向がある. しかし, 実際には両者の間に様々な段階が存在することも事実である. 健康とはいえないがはっきりとした病気でもない, 病気に至る前の半健康状態が未病と表現される. この未病は生活習慣の乱れを表しており, 生活習慣病の入り口に位置する. すなわち, 未病の段階で生活習慣が改善されれば, 生活習慣病への移行は防げ...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:日本未病システム学会雑誌 2003, Vol.9 (2), p.211-213
Hauptverfasser: 栗原毅, 出口祥子, 水野弘美, 秋本真寿美, 新見晶子, 前田淳, 重本六男, 山下克子, 川上明美
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:1. はじめに 最近, 未病という古くて新しい概念が西洋医学に加わった. 未病は, 2000年前の中国最古の医学書『黄帝内経』に記された「未だ病にあらず」に由来する. ところで西洋医学では, "健康"と"病気"の2つに無理に分類してしまう傾向がある. しかし, 実際には両者の間に様々な段階が存在することも事実である. 健康とはいえないがはっきりとした病気でもない, 病気に至る前の半健康状態が未病と表現される. この未病は生活習慣の乱れを表しており, 生活習慣病の入り口に位置する. すなわち, 未病の段階で生活習慣が改善されれば, 生活習慣病への移行は防げるわけである. 今回, 未病, 生活習慣病に対する新しいアプローチ法として, 毛細血管モデルである血液流動性測定装置, MC-FAN(Micro Channel array Flow ANalyzer, エムシーファン)を用いた検討を紹介する. 2. 背景 われわれはレーザードップラー血流量測定装置を用い, 主にラット肝臓の類洞の血流を測定し, 肝疾患の発生, 進展に血流が重要な役割を担っていることを明らかにしてきた. その経験から次のステップとして, 生体を循環している血液動態を観察してみたいとの願望から, MC-FANによる研究が1995年に開始された.
ISSN:1347-5541