薬学の分野から

薬剤師の進路は医療現場にとどまらず, 医薬品の開発や製造, 供給, 環境衛生や食品衛生などの領域でも薬剤師が活躍している. それだけに, 認定薬剤師の能力とは何なのかは, 難しい問題を包含している. 薬が疾患の治療だけでなく, その診断や予防にも使われる以上, 未病の予防や治療にとっても重要な役割を果たし得ることは当然である. 薬学ならびに薬剤師の未病への貢献としては, (1)未病を調べるための臨床, あるいは疫学的な検査のための方法論と技術の開発, (2)未病段階の薬物療法としての漢方や健康食品の開発や作用機序の解明, 適切な臨床応用と患者指導, (3)薬物有害作用の未然の防止に関する研究と...

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Veröffentlicht in:日本未病システム学会雑誌 2004/01/10, Vol.9(2), pp.203-203
1. Verfasser: 田代, 眞一
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:薬剤師の進路は医療現場にとどまらず, 医薬品の開発や製造, 供給, 環境衛生や食品衛生などの領域でも薬剤師が活躍している. それだけに, 認定薬剤師の能力とは何なのかは, 難しい問題を包含している. 薬が疾患の治療だけでなく, その診断や予防にも使われる以上, 未病の予防や治療にとっても重要な役割を果たし得ることは当然である. 薬学ならびに薬剤師の未病への貢献としては, (1)未病を調べるための臨床, あるいは疫学的な検査のための方法論と技術の開発, (2)未病段階の薬物療法としての漢方や健康食品の開発や作用機序の解明, 適切な臨床応用と患者指導, (3)薬物有害作用の未然の防止に関する研究と 指導, (4)地域の健康の守り手としての未病相談薬局の創設, などが重要だと考える. 広義の医学や医療の一端を担って, 薬学や薬剤師の立場から未病に貢献できることは多い. 従来の, 薬を創り, あるいは管理する学問にとどまらず, 薬学特有の知識や技術を疾病や患者のために活かすという立場での, 今後の貢献が期待されており, それにふさわしい薬学研究者や薬剤師を育て, 認定していく努力が必要となる. ただ, これらの多くの領域を1人の薬剤師や薬学研究者が担うことは容易ではなく, 認定制度を考えると, 何を最低必須の知識や技能とするかについては十分な吟味が必要である.
ISSN:1347-5541
2185-2162
DOI:10.11288/mibyou1998.9.203