ウシ乳房炎の未病早期診断に関する化学発光法の有用性の検討

1. 緒言 本邦においてウシ乳房炎は, 全乳牛疾病の20~25%を占め, 最も多発する傾向を認め, かつ死廃率も最も高い疾病である. 被害金額は本邦において年間690億円, また米国において, 臨床症状を伴わないウシ乳房炎(潜在性乳房炎)は全泌乳牛の20~50%を占め, 年間の被害額は20~40億ドルと言われ, 多大な経済的打撃を畜産業界に与えている. 今日までこのウシ乳房炎の診断については, 細菌学的検索のほか, 体細胞数法やCMT変法, 電気伝導度法など多数検討されているが, 産業動物の疾病では, より早期の診断が重要であり, かつ未病の把握が重要であることは言うまでもない. ウシ乳房炎は...

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Veröffentlicht in:日本未病システム学会雑誌 2001/08/15, Vol.7(1), pp.131-133
Hauptverfasser: 川角, 浩, 前島, 裕子, 長内, 悟, 大塚, 恭之, 繁田, 憲隆, 田村, 和豊, 渡辺, 隆司, 武居, 貴裕, 松江, 登久, 吉田, 達行, 吉村, 格, 高橋, 秀之, 菅原, 盛幸
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Zusammenfassung:1. 緒言 本邦においてウシ乳房炎は, 全乳牛疾病の20~25%を占め, 最も多発する傾向を認め, かつ死廃率も最も高い疾病である. 被害金額は本邦において年間690億円, また米国において, 臨床症状を伴わないウシ乳房炎(潜在性乳房炎)は全泌乳牛の20~50%を占め, 年間の被害額は20~40億ドルと言われ, 多大な経済的打撃を畜産業界に与えている. 今日までこのウシ乳房炎の診断については, 細菌学的検索のほか, 体細胞数法やCMT変法, 電気伝導度法など多数検討されているが, 産業動物の疾病では, より早期の診断が重要であり, かつ未病の把握が重要であることは言うまでもない. ウシ乳房炎はStaphylococcus aureus, Streptococcus agalactiae, Corynebacterium bovis, Escherichia coli, Clostridium, Yeastなどの病原細菌が乳頭管より乳腺内部に感染した結果発症する疾病であるが, これら起炎菌を臨床症状の伴わない未病の状態で検出することは困難である場合がある. そこで今回われわれは, 95%以上好中球が占めると言われる乳汁中の体細胞のルミノール依存性化学発光(Chemiluminescence, CL)を測定し, 細菌学的検索ならびに体細胞数測定と比較検討することより, ウシ乳房炎の未病の早期診断が可能であるか否か検討した.
ISSN:1347-5541
2185-2162
DOI:10.11288/mibyou1998.7.131