ビタミンEにおける抗動脈硬化作用の新たな展開について
1. 目的 近年, 動脈硬化をはじめ種々の疾病にフリーラジカルによる酸化障害が関わっていることが明らかにされ1), 抗酸化物によるその防止が注目されており, それらに関する研究が盛んに行われている2). ビタミンE(V. E)は生体内に高濃度存在し, かつ酸素ラジカルを速やかに捕捉して脂質の酸化を抑制することが知られており, V. Eおよびその誘導体について多くの研究が行われている3). その中で, V. Eが動脈硬化発症の起因の1つとなるLDLの酸化を抑制することは, 重要な生理活性として位置づけられている. 近年V. Eは, その体内代謝が注目されており, 特にヒトやラット尿中またはヒト血...
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Veröffentlicht in: | 日本未病システム学会雑誌 2001/08/15, Vol.7(1), pp.115-117 |
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Hauptverfasser: | , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 1. 目的 近年, 動脈硬化をはじめ種々の疾病にフリーラジカルによる酸化障害が関わっていることが明らかにされ1), 抗酸化物によるその防止が注目されており, それらに関する研究が盛んに行われている2). ビタミンE(V. E)は生体内に高濃度存在し, かつ酸素ラジカルを速やかに捕捉して脂質の酸化を抑制することが知られており, V. Eおよびその誘導体について多くの研究が行われている3). その中で, V. Eが動脈硬化発症の起因の1つとなるLDLの酸化を抑制することは, 重要な生理活性として位置づけられている. 近年V. Eは, その体内代謝が注目されており, 特にヒトやラット尿中またはヒト血中で同定された2, 5, 7, 8-tetramethyl-2-(2'-carboxyethyl)-6-hydroxychroman(α-CEHC)や2, 7, 8-trimethyl-2-(2'-carboxyethyl)-6-hydroxychroman(γ-CEHC)に焦点が当てられている. これらの物質は, クロマン環が開環せず, 側鎖が開裂短縮した形をしていることから, ビタミンE由来の合成抗酸化物質troloxに構造が大変類似しているため, これらの物質は代謝物でありながら抗酸化活性を有する可能性が推測される. |
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ISSN: | 1347-5541 2185-2162 |
DOI: | 10.11288/mibyou1998.7.115 |