高脂血症患者の動脈硬化進展における大豆蛋白質と低脂肪牛乳摂取の比較
1. はじめに 実験動物では, 大豆蛋白質で飼育すると動物性蛋白質(casein)に比べ, 動脈硬化を起こしにくいことが知られ1), その機序には, 大豆蛋白質の血清コレステロール, 中性脂肪低下作用2~4)が一要因と考えられている. しかし, 動脈硬化予防の観点からの大豆蛋臼質摂取の臨床上の有用性については, 未だ確立されたものとは言えない. 一方, 血小板, 凝固線溶系の機能も動脈硬化の進展における重要な要因となるが, 大豆蛋白質摂取のこれらに及ぼす影響については十分明らかではない. われわれは既に, 中年女性高コレステロール血症患者を対象に血小板機能, 凝固線溶マーカーに及ぼす大豆蛋白質...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | 日本未病システム学会雑誌 1999/08/31, Vol.5(1), pp.19-22 |
---|---|
Hauptverfasser: | , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 1. はじめに 実験動物では, 大豆蛋白質で飼育すると動物性蛋白質(casein)に比べ, 動脈硬化を起こしにくいことが知られ1), その機序には, 大豆蛋白質の血清コレステロール, 中性脂肪低下作用2~4)が一要因と考えられている. しかし, 動脈硬化予防の観点からの大豆蛋臼質摂取の臨床上の有用性については, 未だ確立されたものとは言えない. 一方, 血小板, 凝固線溶系の機能も動脈硬化の進展における重要な要因となるが, 大豆蛋白質摂取のこれらに及ぼす影響については十分明らかではない. われわれは既に, 中年女性高コレステロール血症患者を対象に血小板機能, 凝固線溶マーカーに及ぼす大豆蛋白質摂取の効果について低脂肪牛乳と比較検討し, 12ヵ月後の変化について報告した5, 6). また, この大豆蛋白質摂取者では, CTにて評価した腹部大動脈壁容積や石灰化容積の変化が低脂肪牛乳摂取者に比べ小さい傾向にあることも既に報告した6). 本研究では, さらに18ヵ月後まで大豆蛋白質と低脂肪乳摂取を継続し, 血清脂質, 血小板機能, 凝固線溶マーカーの変化を追跡した. |
---|---|
ISSN: | 1347-5541 2185-2162 |
DOI: | 10.11288/mibyou1998.5.19 |