溶解速度調整可能なマグネシウムインプラントの開発

骨折治療では,チタン合金やステンレス材等の金属製インプラント,あるいはポリグリコール酸やポリ乳酸等の生分解性樹脂を用いた樹脂製インプラントが一般的に使用される.しかし,既存の金属製インプラントは,治癒後に抜去手術が必要であることから患者への負担が大きい.一方,樹脂製インプラントは,体内で分解するため抜去手術を要しない利点があるものの,強度不足である点などが課題となっている.これらの課題を解決するため,人体の必須元素で,生体内での吸収性を持つマグネシウムに注目し,特に生体安全性を考慮して,合金化元素を含まない高純度マグネシウム材を対象としている.純度,結晶粒径,結晶状態を調節することで,in v...

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Veröffentlicht in:日本再生歯科医学会誌 2023, Vol.21(1), pp.43-50
Hauptverfasser: 村田, 知明, 堤, 定美, 坂之上, 悦典, 會田, 哲夫, 金, 郁喆, 岡, 佳伸, 高橋, 謙治
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:骨折治療では,チタン合金やステンレス材等の金属製インプラント,あるいはポリグリコール酸やポリ乳酸等の生分解性樹脂を用いた樹脂製インプラントが一般的に使用される.しかし,既存の金属製インプラントは,治癒後に抜去手術が必要であることから患者への負担が大きい.一方,樹脂製インプラントは,体内で分解するため抜去手術を要しない利点があるものの,強度不足である点などが課題となっている.これらの課題を解決するため,人体の必須元素で,生体内での吸収性を持つマグネシウムに注目し,特に生体安全性を考慮して,合金化元素を含まない高純度マグネシウム材を対象としている.純度,結晶粒径,結晶状態を調節することで,in vitro試験では溶解期間を8~12週間以上に調節でき,強度を保つことが可能であった.マグネシウムインプラントの安全性は,生物学的安全性試験及び臨床試験により,確認,確立していく.
ISSN:1348-9615
1880-0815
DOI:10.11223/jard.21.43