P30. ラジアルフロー型バイオリアクターを用いた間葉系幹細胞の三次元培養

近年, 組織再生を目指した三次元培養を行う装置として様々なバイオリアクターが開発され用いられている. 演者らは顎骨の再生を目指し, 骨髄間葉系幹細胞(hMSCs)をコラーゲンscaffoldに播種し, それを直径12mm, 高さ5mmのラジアルフロー型バイオリアクターを用いてscaffoldに均一に増殖させることができるかどうかを検討した. 5継代目のhMSCを1週間培養後, 気孔径70-110μm, 気孔率80-95%, 厚さ3mmのタイプ1コラーゲンシート1枚に対して2.3×10 5個播種した. 細胞が生着する時間を考慮し12時間リアクター外にてインキュベートした. hMSCを播種したコラ...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:日本再生歯科医学会誌 2011, Vol.9 (1), p.69-69
Hauptverfasser: 吉成正雄, 片山愛子, 荒野太一, 佐藤亨
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:近年, 組織再生を目指した三次元培養を行う装置として様々なバイオリアクターが開発され用いられている. 演者らは顎骨の再生を目指し, 骨髄間葉系幹細胞(hMSCs)をコラーゲンscaffoldに播種し, それを直径12mm, 高さ5mmのラジアルフロー型バイオリアクターを用いてscaffoldに均一に増殖させることができるかどうかを検討した. 5継代目のhMSCを1週間培養後, 気孔径70-110μm, 気孔率80-95%, 厚さ3mmのタイプ1コラーゲンシート1枚に対して2.3×10 5個播種した. 細胞が生着する時間を考慮し12時間リアクター外にてインキュベートした. hMSCを播種したコラーゲンシートを3枚重ねでラジアルフロー型バイオリアクターに取り込み, 培地を灌流させて37℃で1週間培養した. コントロールには,培地灌流を行わずにプレート上で静置培養したものを用いた. DNA抽出法による細胞増殖, 組織学的評価, 細胞表面マーカー発現の検索, ALP活性による骨分化能評価を行った. 以上の結果より, 本バイオリアクターを用いることにより幅, 厚みのあるscaffold内に, 培養液を充分に循環させ培養を行うことができた. 培養1週間後で, 細胞はscaffold内に均一に増殖した. また, 細胞表面マーカーの発現は灌流培養前後で違いなく形質が変化しないこと, さらに骨芽細胞へ分化することが確認された. 以上より, ラジアルフロー型バイオリアクターを用いたhMSCの培養はin vivoでの組織構築に有用であると示唆された.
ISSN:1348-9615