P28. 骨芽細胞分化促進作用を有する小分子化合物の探索システムの構築

小分子化合物は, 分子量が小さく, 安価かつ化学合成が容易であるため, 再生医療に用いる細胞活性因子として期待されている. 本研究の目的は, 骨芽細胞分化促進作用を有する化合物を検出するためのスクリーニングシステムを構築し, これを用いた小分子化合物ライブラリーのスクリーニングを試みることである. I型コラーゲン遺伝子の発現を指標としたGFPレポーター発現骨芽細胞を96well培養プレートに播種し, LOPAC1280ライブラリー(SIGMA社)に含まれる各小分子化合物を添加した骨芽細胞分化誘導培地で培養した. 培養7日後に蛍光マイクロプレートリーダーによりGFP蛍光量を測定し, 続いて14日...

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Veröffentlicht in:日本再生歯科医学会誌 2011, Vol.9 (1), p.68-68
Hauptverfasser: 福安翔, 江草宏, 萱島浩輝, 裏口真也, 鎌野優弥, 矢谷博文
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:小分子化合物は, 分子量が小さく, 安価かつ化学合成が容易であるため, 再生医療に用いる細胞活性因子として期待されている. 本研究の目的は, 骨芽細胞分化促進作用を有する化合物を検出するためのスクリーニングシステムを構築し, これを用いた小分子化合物ライブラリーのスクリーニングを試みることである. I型コラーゲン遺伝子の発現を指標としたGFPレポーター発現骨芽細胞を96well培養プレートに播種し, LOPAC1280ライブラリー(SIGMA社)に含まれる各小分子化合物を添加した骨芽細胞分化誘導培地で培養した. 培養7日後に蛍光マイクロプレートリーダーによりGFP蛍光量を測定し, 続いて14日後に同培養細胞に対してアルカリフォスファターゼ(ALP)染色を行った. スクリーニングの結果, GFP蛍光値およびALP活性を著明に促進する3つのヒット化合物が検出された. これらの化合物はマウス骨髄由来間葉系幹細胞の骨芽細胞分化においても, 骨芽細胞特異的遺伝子および細胞外基質の石灰化を著明に促進することが確認された. 本研究の結果, 我々が構築したI型コラーゲンおよびALP活性を二重指標としたスクリーニングシステムは, 骨芽細胞分化に促進的に作用する小分子の検出を簡便かつ高い信頼度で可能とすることが示された. 今後, 本研究で発見された新規化合物の作用機序を解析することで, 再生医療に応用可能な技術開発に繋げていきたい.
ISSN:1348-9615