P16 焼結二酸化チタン‐デキストリン複合体の骨補材への応用

【緒言】ルチル型二酸化チタン(TiO2)は毒性が少ないことから近年医療分野への応用が検討されている. 本実験では, TiO2が耐久性に優れ, 熱化学的にも安定であることに着目した. 即ち, TiO2-デキストリン複合体を作製し, 骨補材としての可能性を検討するため, 骨補部位の組織学的観察および元素分析を行った. 【方法】実験材料は, 石原産業社製のルチル型TiO2と松谷化学工業社製のデキストリンを使用した. TiO2は1400℃で焼成後TiO2デキストリン複合体を作製した. 6週齢日本白色種ウサギ雄の大腿骨上顆外側に直径2.0mm, 深さ約1.0mmの骨欠損部を形成し, 移植期間は6週間とし...

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Veröffentlicht in:日本再生歯科医学会誌 2009, Vol.7 (1), p.87-87
Hauptverfasser: 浅井崇文, 林達秀, 桐山喬至, 濱島聡一朗, 佐藤大和, 朝倉正紀, 森慎太郎, 河合達志
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:【緒言】ルチル型二酸化チタン(TiO2)は毒性が少ないことから近年医療分野への応用が検討されている. 本実験では, TiO2が耐久性に優れ, 熱化学的にも安定であることに着目した. 即ち, TiO2-デキストリン複合体を作製し, 骨補材としての可能性を検討するため, 骨補部位の組織学的観察および元素分析を行った. 【方法】実験材料は, 石原産業社製のルチル型TiO2と松谷化学工業社製のデキストリンを使用した. TiO2は1400℃で焼成後TiO2デキストリン複合体を作製した. 6週齢日本白色種ウサギ雄の大腿骨上顆外側に直径2.0mm, 深さ約1.0mmの骨欠損部を形成し, 移植期間は6週間とした. その後, H-E染色を施し位相差顕微鏡にて組織観察を行い, さらに補?部位はEPMA分析を行った. なお, Controlには既存の骨補?材であるBONE JECTを用いた. 【結果および考察】移植6週後の組織観察は, TiO2デキストリン複合体およびBONE JECTともに緊密に骨補?されており, 粒子間に骨組織の介在が明瞭に観察された. 一方, EPMA分析では, 1400℃で焼成したTiO2は粒子間にCaとPを介在している像が検出された. 以上, デキストリンの効果により形態に即した形状を与えることが可能であり, 焼成したTiO2は骨伝導能を有することが明らかとなった.
ISSN:1348-9615